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攻守両面で汗をかき、ハーランドの決勝点をアシスト。ノルウェーの“国内組”ベルグの存在意義【W杯】

攻守両面で汗をかき、ハーランドの決勝点をアシスト。ノルウェーの“国内組”ベルグの存在意義【W杯】


 コートジボワールとノルウェーによるラウンド32の戦いは、アーリーング・ハーランド(マンチェスター・シティ)の今大会5点目となる決勝ゴールで勝負が決し、ラウンド16でのブラジルとの対戦が確定した。

 1ー1で迎えた86分、特長である身体能力を活かした迫力あるフィニッシュではなく、ボックス内で冷静にラストパスを呼び込んで、左足のタップインゴール。ハーランドは「もうヘトヘトだった。延長戦はごめんだから、決めなければならないと考えていた」と振り返った。

 そのハーランドに絶妙のラストパスを送り届けたのが、中盤の一角を担うパトリック・ベルグ(ボデ/グリムト)だった。

 フレドリク・アウルスネス(ベンフィカ)とのコンビネーションで右サイドを攻略したオスカー・ボブ(フルアム)が中に折り返すと、インサイドを走るベルグがゴール右のポケットを取り、見事なコントロールから右足で折り返した。

 このシーンについて、アメリカのFOXスポーツで元フランス代表ストライカーのティエリ・アンリ氏は「これはチームとしてのゴール。ベルグのパスがなければ、ビッグマン(ハーランド)は得点できなかった」と語った。

 アンリ氏の考察では、ゴール右に侵入した時点で、ベルグとしてはシュートを打てた。しかし、ゴール前でより良いポジションにいたハーランドへラストパス。確率の高いベターな選択をした。
 
 ハーランドというエースへの厚い信頼の証でもあるが、チームとしてのまとまりを象徴するシーンでもある。そして、もう1つ注目したいのが、このベルグはコートジボワール戦でプレーした選手の中で、唯一の国内組だったということだ。

 現在のノルウェーはハーランドを筆頭に、アレクサンデル・スルロット(アトレティコ・マドリー)、1点目を決めたアントニオ・ヌサ(RBライプツィヒ)、マーティン・ウーデゴー(アーセナル)といった欧州トップリーグの強豪クラブに所属する選手が大勢を占める。

 26人中、国内組はヘンリク・ファルケナー(ヴィーキング)、フレドリク・ビェルカン(ボデ/グリムト)、イェンス・ペッター・ハウゲ(ボデ/グリムト)、そしてベルグの4人しかいない。

 ベルグは2025-26シーズンのチャンピオンズリーグで話題を集めたボデ/グリムトのキャプテンで、一時期フランスのRCランスに在籍したが、ほとんどのキャリアをアカデミーから育ったクラブに捧げてきた。

 中盤で人一倍、攻守両面で汗をかきながら、大事なところでゴール前に飛び込んでくる。サンデル・ベルゲ(フルアム)、ウーデゴーとの関係でも、つなぎ役としての役割が大きい。なかなか脚光を浴びにくいタイプの選手だが、決勝点のアシストでチームの勝利に貢献したのは印象的だ。
 
 そのベルグも最初の2試合は途中出場だったが、ターンオーバーを採用したグループステージ3試合目のフランス戦から唯一、コートジボワール戦のスタメンに選ばれて、MOMのヌサにも匹敵する働きを見せた。

 そんなベルグが勝利後のテレビインタビューなどに応じていないのには理由がある。実はドーピング検査の対象となり、すぐに検査室に連れて行かれたため、試合後にサポーターと「Ro(船漕ぎ)」で勝利を祝うこともままならなかったことが、ノルウェーの地元紙などで封じられている。

 これだけ欧州5大リーグが主流になり、あるいはオランダやポルトガルのビッグクラブに在籍する選手が大勢を占めるなかで、ベルグのような選手がスタメンに食い込むのは簡単ではないが、だからこそチームの重要な存在にもなりうる。
 
 この試合の前日、ブラジルに敗れた日本代表では、ベテランの長友佑都(FC東京)がJリーグから招集された唯一のフィールド選手だった。

 もちろん上田綺世(フェイエノールト)などが指摘するように、日本人選手がよりハイレベルな環境で、日常のステージを上げていくことが躍進のベースになることは間違いないが、ベルグのような選手が一人でもJリーグの所属選手としてW杯のピッチを踏むことも期待せずにはいられない。

取材・文●河治良幸

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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