
板垣李光人が主演を務める映画「口に関するアンケート」が7月3日(金)に公開する。本作は、累計45万部を突破した背筋氏の同名小説を、ホラーの巨匠・清水監督が実写映画化した“口にまつわるゾワっとミステリー。今回は、友人たちを誘い肝試しに向かった大学生・翔太を演じた板垣と、翔太と共に肝試しに参加した・竜也を演じた綱啓永にインタビューを実施。演じるのに苦戦したシーンや、おふたりが実際に体験した恐怖体験などを語ってもらった
■原作の小ささに驚き「どうやったら1時間半の映画になるの?」
――ホラー作家・背筋さんのホラー小説『口に関するアンケート』が原作の本作へのオファーをどのように受け止めましたか。
板垣:僕にとってホラーは初挑戦で、清水崇監督の作品に出演させていただくのも初めてだったので、オファーをいただけたことはすごくうれしかったです。お話をいただいて、まずは小説を読みました。「こんなに小さな本が、どうやったら1時間半の映画になるの?」と思ったのが最初の感想です。
綱:僕もまず、原作の小説の小ささに驚きました。「嘘だろ!」と思うくらい小さくて(縦115ミリ×横85ミリ)、驚きつつ読み進めていくと、いろいろな人間の視点で感情移入できて、さまざまな恐怖を味わえました。そこがこの作品の面白さなのかなと思いました。実は僕、ホラーが苦手なので、オファーをいただいた時は「大丈夫かな?」という不安があったんですよね…(笑)。
――おふたりは初共演ですが、会う前に抱いていた印象と実際にお仕事してみて変わったところはありますか。
板垣:あまり変わっていないかも。しっかりされてます。さっき、僕、綱くん、吉川愛さん、MOMONAさん、森愁斗くん、西山智樹くんの6人が一緒にいたのですが、その中で、綱くんがやっぱり1番しっかりしていました。
綱:ははは(笑)。しっかりしていると言われたのは、うれしいな。
――「しっかりしている」というのは、どんなときに感じたのでしょう。
板垣:明るいからこそ…なのかな。6人で質問に答えていて止まっちゃうと、スッと入ってきてトークを回してくれる。すごくありがたかったです。今後ともよろしくお願いします(笑)。
綱:こちらこそ! 力になれてよかったです。李光人くんも、元々抱いていた印象と変わらないですね。落ち着いている印象がずっとあります。僕ら2人が物語の中心になっているから、役柄的にも関係性をしっかり築かないとなと思って話しかけると、笑ってくれたりするんですよ。それがね、すごくうれしかったです。
――キュンとしました?
綱:はい(笑)。これってずるいですよね。笑っているだけなのに、人の心を掴む。僕が笑ったら普通だけど、クールなイメージの李光人くんだから「笑うんかい!」と驚く。「キャラ得してるな~」と思いました(笑)。
――現場ではどんな感じだったんですか。
綱:僕らは共通の知り合いが多いので、休憩中は友人の話をしたり…。
板垣:夜深い撮影が多かったから、終盤は深夜のテンションになって、メイキングのカメラを奪って勝手に回し始めたり(笑)。
綱:したね(笑)。あと、夜の撮影で星がすごく綺麗で、みんなで星空を見たりして、青春しましたね。
――じゃあ、おふたりの仲も深まったんでしょうね。
綱:李光人くんと仲良くなるために僕は、たくさん話しかけることを心がけていました。先ほども言ったように、そこで笑ってくれると安心するんですよ。その笑顔を見るたびに、僕の中で壁が1枚壊れた気になる。その壁をどんどん壊していきたいですね。まだまだプロモーションがあるし、また共演もしたいから。
板垣:ぜんぜん壁なんてないですよ(笑)。でも、綱くんの受け入れ体制に助けられました。僕が何を言っても、全面的に受け入れてくれる。そういう姿勢でいてくださるから、撮影が始まってすぐに自分から話かけることができたんだと思います。僕らは一緒の撮影が多かったから、徐々に、なんとなく距離が縮まっていった感覚でした。
■クランクインは独白シーン「アクセル全開でした」
――本編は冒頭からドアップの独白シーンから始まります。淡々と告白が始まって、どんどん感情がむき出しになっていきますが、スクリーンで見るとすごい迫力なのではないでしょうか。
板垣:自分の顔のパーツが、あんなに大きな画面に映し出されるのは、あちこちから撮られていたので撮影中も恥ずかしかったけれど、完成作を見ても恥ずかしかったです。でもこの映画ならではの部分なので、とても印象的でしたね。あれを撮ったのは初日なんですよ。正気の状態とはまた違う演技が求められたからこそ、初日からアクセルベタ踏み状態でした。
綱:独白シーンは緊張感がありましたね。僕がクランクイン初日の最初に独白シーンを撮影したんです。カメラ目線で、1人だけ。僕にとっては初めてのお芝居の経験がかなり詰まったシーンだったし、感情に逆らった表情…、矛盾を見せたかったのでお芝居的にもすごく難しかった。李光人くん同様、ずっとアクセル全開でした。カットがかかった瞬間、「ふーーっ」と安堵する感じで。
――監督からは事前にどんな説明があったのでしょう。
板垣:クランクイン前に、「参考になるから時間があったら見ておいて」と『ゲット・アウト』(2017年/ジョーダン・ピール監督作品)を教えていただいて、それをみんなの共通認識にしていました。イメージはできていたので、撮影当日に細かいディレクションはなかった気がします。でも1人ずつの撮影だったから、ほかの人がどんな感じかわからない状態。ほんと皆、あれ初日によくやったよね(笑)。
綱:うん。みんな本当にすごかった。独白シーンは、この作品の見どころだね。
■綱啓永の恐怖体験に、板垣李光人「怖すぎるよ!」
――『口に関するアンケート』は、友だち4人(板垣李光人、綱啓永、吉川愛、MOMONA)が肝試しに行くとところから物語が始まります。お2人は、恐怖体験したことありますか。
板垣:小学生のころ、洗面台の鏡を見ていた時に後ろの廊下を黒いカオナシみたいな大きなものがズズズっと通ったのを覚えてます。「何かいる」と感じたけれど、怖い感じはなかったかな…。でも動くこともできず、ただ見ていただけでした。怖さを感じなかったってことは、悪いものではなかったのかな?と思っています。
綱:僕、長くなっちゃうんだけど…。
板垣:行きましょう!
綱:金縛りってあったことあります?
板垣:ないなぁ。
綱:僕、数年前に金縛りにあったんですよ。前日に仕事仲間と「大の字で寝たら金縛りになりやすいんだよ」という話をして、次の日に実家の2階の自室でその話を思い出して「試してみるか」とやったんです。「金縛り、来た! ヤバい!」となって目を開けるじゃないですか。そうしたら夢を見ている感覚で、僕の脳の中に主観と客観の2つの画面が現れて…、主観の部分で白い影が見えたんです。それで影がクローゼットの前にいるんですよ! 僕、ホラーが苦手だから、めっちゃ怖くて。
家族に助けを求めようと思っても、声が出ない。でも前日の話の中で、「全力で息を吸って、一気に全身に力を入れると解ける」と聞いていたから、なぜか余裕があった。それを試したら本当に解けて、白い影はテレビの下の方にいなくなりました。
板垣:わーーーーー! 怖いよ!
綱:まだ、続きがあるんだよ(笑)。僕の身内で霊的なものが見える人がいて。この白い影の話はしなかったのに「部屋、見てあげようか」といわれて、部屋の写真を撮ったら、テレビの下に小さい子供が写っていたんです!
板垣:怖すぎるよ、その話。でも夏っぽいね(笑)。
――肝試しといえば、夏の風物詩です。おふたりの、夏の思い出といえば?
綱:子どものころは仲よしの3家族くらいで、夏は海、冬はスノーボードに行くのが恒例でした。
板垣:僕も子供のころは、旅行。夏に家族で沖縄旅行に行くのが恒例行事でした。
綱:10代のころは夏が大好きだったけれど、ここ数年の夏は耐えられない暑さじゃないですか。だから最近は、お祭りに行っても暑さと人混みがキツくて…。
板垣:わかります! 暑いのは苦手です。家でゲームをしているに限りますよ、夏は。
綱:花火大会も、家から見えるのがいい。小さくても、いい(笑)。
板垣:昨今、夏を楽しむどころか、生命を維持するためにどう乗り切るかになっています(笑)。
綱:本当に。皆さんも、水はちゃんと飲んでくださいね!
板垣:出かけるのは、涼しい映画館で『口に関するアンケート』を観る…くらいにしておいてください(笑)。
――映画館で涼しさを味わうためにも、最後に作品の見どころを教えてください。
板垣:原作の背筋さんファンの方も、この原作をどう映画化するのか期待と不安を持っていらっしゃると思います。実はこの作品って、原作と背筋さんの頭の中にあった別の構想を混ぜて1つの長編映画にしたものなんです。なので、原作とは少し違うオリジナルの要素が入っていますが、それは背筋さんの頭の中にあるものなので、原作のファンの方にも安心して観ていただけると思っています。
ホラーではあるけれど、「ワッ」と脅かすのではなく、じわじわと迫ってくる怖さがある作品。音響もとても印象的なので、ぜひ大きなスクリーンでそれを楽しんでいただきたいなと思います。涼しい映画館で(笑)。
綱:原作とは違う登場人物がいるのも、面白いですよね。原作と同じ6人(板垣、綱、吉川、MOMONA、森、西山)がお話の中心になって、ホラーとしての感情のジェットコースター状態を味わえますが、原作にはいない柄本時生さん、中村獅童さんが出てくる謎解きの部分が作品を俯瞰して、冷静に戻ることができます。ホラーの良さはもちろんですけど、人間関係やそこから生じる感情の歪みのようなものも出てくるので、多面的な面白さを持っている作品だと思います。ぜひ、涼しい映画館で(笑)。
◆取材・文=坂本ゆかり/撮影=MANAMI/スタイリスト=石井大(板垣)、三宅剛(綱)/ヘア&メーク=FUJIU JIMI(板垣)、牧野裕大(綱)

