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【伊達公子】「我が子のよう」であるリニューアルした宮崎県総合運動公園テニスコートのこだわり<SMASH>

【伊達公子】「我が子のよう」であるリニューアルした宮崎県総合運動公園テニスコートのこだわり<SMASH>

2027年の「宮崎国スポ・障スポ」に向けて、県総合運動公園のテニスコートの改修が行なわれ、「ひなたTENNIS PARK MIYAZAKI」として生まれ変わりました。私はもともと世界で活躍する選手を輩出するために、砂入り人工芝のコートを世界基準に変える必要性をずっと訴えています。大学院でもそのテーマで論文を書いたことで、学術的根拠のある提案として、徐々に受け入れられるようになってきました。

 そのため、宮崎県テニス協会から日本テニス協会の土橋登志久氏に改修の相談があった時に、私も改修プロジェクトに参加することになりました。それが約4年前です。

 この施設は、いくつかの絶対的なこだわりを持ってリニューアルしました。まず何より優先したのは、コートスペースです。WTAツアーでも、ATPツアーでも開催できる後方・側方スペースを確保すること。日本の多くの施設で不足しているこのスペースを、面数を減らさずに実現させました。
  アウトドア・インドアコートの照度も徹底しました。ATPやWTAのレギュレーションは年々厳しくなっています。完成した時点でどんな時にも対応できるように最高水準の照度を確保しました。実は、当初の計画には、インドアコートはありませんでした。

 世界では世界基準のハードコートは当たり前な上に、インドアコートも備わっています。日本においては、砂入り人工芝からハードコートへの転換がまずは大きなハードルであり、インドアコートまではなかなか及ばないのが現実でした。しかし、岐阜、愛媛にしてもハードコートに転換したあとに結局ところインドアの必要性を感じて後から作っています。その傾向を参考に一気にインドアコートを作る提案をさせていただきました。そのインドアも6面横並びで設置しました。これで、どの大会の招致も可能です。

 観客席は常設ではなく仮設対応です。年間使用頻度を考え、アウトドアのコートは既存の石段を活用しつつ、インドアならば仮設スタンドでBJKカップやデビスカップにも対応できる設計にしています。
  コートスピードにもこだわり、意図的に最も遅いハードコートを選んでいます。有明のコートは速いことで有名で、日本にはスローハードがありませんでした。スピードが遅いサーフェスでは、頭を使って戦わなくては勝てません。レッドクレーの維持が難しい日本では、スローハードは育成に最適なコートであると言えます。

 コートの色も論文で学んだ知識を生かして、ブルーとグレーにしました。反射熱を抑え、宮崎の青い空に映える配色です。ロッカールームは、ラケットバッグが入るグランドスラム仕様。横型の特注ロッカーを設置しました。
  雨に濡れることなく、クラブハウスからインドアへ移動できる動線は選手にとって魅力的です。十分なコート面数を有していますが、アウトドアコート、クラブハウス、インドアコートがコンパクトにまとまっている点は、日本テニスの聖地である有明より使いやすいと自信を持っています。

 この4年間、何度も宮崎に足を運び、完成した施設を見た時、「我が子のよう」だと感じました。もちろん、欲を言えば切りがありませんが、できうる範囲の中で考えると、150点の出来栄えです。そう思える施設が出来上がりました。これからも我が子のように育てていきたいと思います。

文●伊達公子

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配信元: THE DIGEST

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