テニスの四大大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン)の男子ダブルス1回戦が現地1日に行なわれ、ワイルドカード(主催者推薦/WC)で出場したニック・キリオス(オーストラリア/31歳)は、今大会が自身にとって最後のウインブルドンになる見込みであることを試合後に明かした。アレクサンダー・ブブリク(カザフスタン)とのペアは、第6シードのマルセロ・アレバロ(エルサルバドル)/マテ・パビッチ(クロアチア)組に3-6、4-6のストレートで敗れた。
2022年の同大会シングルス準優勝後、手首やヒザのケガに加え、法的トラブルにも悩まされてきたキリオス。今年6月の「シュトゥットガルト・オープン」で2025年3月以来となるツアーレベルでの白星を挙げたものの、現在の世界ランキングは899位まで後退しており、今大会ではシングルスのWCは与えられなかった。それでも主催者から招待を受け、盟友ブブリクと小さな17番コートへ戻ってきた。
試合中はキリオスらしい感情の起伏ものぞかせた。審判とのやりとりで苛立ちを見せる場面もあった一方、好プレーには即座に反応し、相手を称賛するなど、良くも悪くも彼らしい振る舞いが随所に表れた。
そして試合後には、コートの雰囲気を見渡しながらこう語った。
「かなり自信を持って言えるが、これが最後のウインブルドンになると思う。ここに戻ってきて、再び戦う自分の姿を想像するのは難しい」
さらに2022年大会については、「あの決勝は今でもキャリアの中で最も特別な思い出のひとつ」と振り返りつつ、「あのレベルに戻れるとは正直思えない」と現在の心境を吐露。
また、ブブリクとのプレーについては、「彼と一緒だからこそ、肩の力を抜いて楽しむことができた。ただ同時に、終盤の数ゲームの間は、頭の中でさまざまなことが駆け巡っていた」とコメント。「スケジュールの不確定要素がある中でも、ワイルドカードという形でチャンスを与えてくれたことには本当に感謝している」と主催者への感謝も述べ、ウインブルドンは「自分のキャリアが始まり、人生を大きく変えてくれた特別な大会」だと振り返った。
一方で、今回の発言で現役キャリア全体の終了を正式に宣言したわけではなく、将来的に母国の「全豪オープン」で最後の別れを告げるつもりかどうかにも言及はしていない。
それでも自身のキャリアの転機となった聖地での戦いを終え、キリオスは静かにひとつの節目を受け止めたようだった。
構成●スマッシュ編集部
【画像】準優勝のキリオスほか「ウインブルドン2022」で活躍した男子選手たち
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