「高市早苗首相が与党の一部の趣味に引っ張られ、自民党内で人望を失えば、最終的に自身の政治生命に関わる」
中道改革連合の小川淳也代表が7月3日の記者会見で放った言葉は、政権の急所を突く鋭い一撃のようである。
「一部の趣味」とは日本維新の会を指し、高市早苗首相がその要求に応じて衆院議員定数削減や「副首都構想」の法案成立に固執すれば、自民党内から「高市下ろし」の火の手が上がり、退陣に追い込まれる、との見立てを示したのだ。
だが、この威勢のいい言葉の裏に透けて見えるのは、自民党内の内紛を期待するしかない小川氏自身の「立ち位置の弱さ」である。
中道改革連合は2月の衆院選で大敗を喫し、衆院の所属議員数はわずか48人にまで落ち込んでいる。これでは単独で51議席以上が必要な、内閣不信任案の提出すらできない。不信任案という「伝家の宝刀」を掲げて首相に刃を突きつける資格すら、今の小川氏にはないのだ。
与党にとっては蚊の羽音にすぎない
2017年の衆院選で当時の立憲民主党は55議席を確保し、不信任案の提出権だけは死守した。今回の48議席という数字は、自民党と社会党による、いわゆる1955年体制成立以降、最も脆弱な野党第一党である。
他の野党の協力を得て不信任案を提出したところで、自民党と日本維新の会の巨大与党の前に否決されるのは火を見るより明らか。自力で政権を揺さぶる力を持たない代表の警告など、与党にとっては蚊の羽音にすぎない。
発言を耳にした自民党中堅議員は、鼻で笑うようにこう吐き捨てた。
「ただの負け犬の遠吠えでしょう。自民党の心配をする前に、まずは自身の身の振り方を心配したらどうですか」
(岡田哲司/政治ジャーナリスト)

