全豪、全仏、ウインブルドン、全米――世界中の注目を集めるテニス四大大会は、選手の夢と誇り、そして限界への挑戦が交差する舞台である。そんな最高峰の大会で、長年にわたって議論されているのが、シングルスにおける男女の“セット数の違い”だ。
周知の通り、男子は通常のツアー大会では3セットマッチ(2セット先取)だが、四大大会では5セットマッチ(3セット先取)を採用。一方、女子はツアーも四大大会も一貫して3セットマッチとなっており、この違いを巡っては、選手の負担やジェンダーギャップ等の観点から様々な意見が飛び交っている。現在開催中の「ウインブルドン」でも、このテーマが再び話題に上がった。
現地7月4日、男子元世界ランキング4位の28歳テイラー・フリッツ(アメリカ/現7位)は、ロレンツォ・ソネゴ(イタリア/元21位/現69位)との3回戦を前に出演した米『Tennis Channel』で四大大会男子の5セット制について質問を受け、次のように回答した。
「僕自身はグランドスラム(四大大会)のセット数は現状維持でいいと思っている。基本的には5セットマッチの方が、実力がより結果に反映されやすいように感じる。だから僕は今のフォーマットの方が好きだ」
「緊張した状態のままプレーし、2セットを落としただけで試合が終わってしまうのは、最高峰のトーナメントとしてはしっくりこない。2セットダウンからの逆転劇などは、グランドスラムを記憶に残る、魅力的なものにしていると思う。もちろん選手の負担などを考えると、プレー時間は短い方が好ましいのだろうけど、それでも僕は5セット制を推したい」
この話題については、過去にもトップ選手たちが様々な見解を示している。女子4位のジェシカ・ペグラ(アメリカ)は昨年のウインブルドンの会見で、「女子を5セットマッチにするのではなく、男子が3セットマッチになる方がいい」と持論を展開。「そもそも5セットは長すぎる。私自身、5時間も試合を見ることはできない」と、観戦する立場からも現在の形式に疑問を呈した。
対照的に、男子元4位のジャック・ドレイパー(イギリス/現131位)はフリッツ同様5セット制を支持。「それがグランドスラムならではの特別な格式を生み出している」と評価し、「2年前なら廃止すべきだと答えていたと思うが、今では5セットを戦うことがテニスにとっていかに重要か理解している」と、自身の考えが変化したことも明かしていた。
このように、四大大会における男女の試合形式を巡っては、ファンのみならず現役トップ選手たちの間でも意見が分かれている。今後も議論は続いていきそうだ。
文●中村光佑
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