北海道が誇るメーカー、新得物産の強さったらない。
これまでの登場は5回。そのすべてが「竹(外そば)」以上という驚異的な成績である。
具体的に言えば、竹(外そば)4本に、殿堂入りが1本。
野球に例えるなら5打数ホームラン4本+満塁サヨナラ場外ホームラン1本。ハッキリ言って、バケモノだ。
そんな新得物産の干しそばが、北海道・函館のスーパーアークスに売っていた。
価格は319円。内容量250gと中途半端だが、あえて1人前80gに設定し3人前入りと仮定するなら、1人前は107円。
新得物産としては、これまで食べてきた中で最も安い価格帯だ。
パッケージも、どこか質素というか、これまでとは違う雰囲気。
例えるなら、何も改造していない新車。フルノーマル。メーカー純正。
「これがウチの基本形です」
そう言われているような、デフォルト感がある一束なのである。
果たして、どんな味なのだろう。今回の打席は──?
いざプレイボール!
まずは大きめの鍋にたっぷりのお湯を沸かす。
5〜6分ゆでる。
冷水(氷水)で洗い、キリッと締めたら……
はい、完成。
そして、そのお味は──
おいしい。
さすが新得物産、と言いたくなる味である。
……なのだが。
「コムギー」なのである。
また新しい言葉を作ってしまった。
コムギー。
非常においしい。おいしいのだが、そばというより小麦を強く感じる。
そばの風味よりも、小麦の存在感が前に出てくる。
それこそが、コムギーなのである。
では、「家そば」か「外そば」か。
新得物産にしては珍しく、「家」だ。
太さもちょうどいい。硬さもちょうどいい。食感もちょうどいい。完成度は高い。
なのに、終始コムギー。
食感もまた小麦由来というか、「キリッ」というより「クニュ」。そこが実に家庭的なのである。
新得物産のそばで初めての「家」判定。
もちろん悪い意味ではない。
だが、「プロ仕様の製品ばかり作ってきたメーカーが、一般家庭向けに親しみやすい価格帯の商品を出した」そんな印象を受けた。
いわば、新得物産のスタンダードモデル。あるいはエントリーモデル。
だからこそ、このメーカーの実力の幅広さを感じさせる一束でもあった。
執筆:干し蕎麦評論家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24
