現地7月6日(日本時間7日)、サッカー北中米ワールドカップ(W杯)の決勝トーナメント2回戦(ラウンド16)がシアトル・スタジアムで行なわれ、ベルギー代表とアメリカ代表が対戦する。
この一戦を前に、耳を疑う前代未聞のニュースが飛び込んできた。米放送局『ESPN』は、決勝トーナメント1回戦で退場処分を受け、本来は次戦出場停止となるはずのアメリカ代表FWフォラリン・バロガンについて、国際サッカー連盟(FIFA)が処分を取り消し、ベルギー戦への出場が認められたと報じた。
事の発端は、アメリカが2ー0で勝利したラウンド32のボスニア・ヘルツェゴビナ戦だ。バロガンは当初、主審は反則を取らなかったものの、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の判定を経てレッドカードを提示され退場処分となった。通常であれば最低1試合の出場停止が科されるが、FIFAは処分を「1年間猶予する」と発表。ベルギー戦への出場を認める決定を下すと、直後にアメリカのドナルド・トランプ大統領が自身のSNSに「正しいことを行い、重大な不平等を覆してくれたFIFAに感謝する!」と投稿。FIFAときな臭い取引が疑われる事態となっている。
無論、FIFAの異例判断に対しベルギー側は強い違和感を訴えている。ESPNによると、ベルギー代表のリュディ・ガルシア監督は試合前日の記者会見で、バロガンの出場許可を耳にした際の衝撃について「最初に聞いた時は冗談だと思った」とコメント。そのうえで「ワールドカップでは7月5日が、実は4月1日(エイプリルフール)になるとは知らなかったよ」と皮肉を交えながら、不満をあらわにした。
さらにベルギーサッカー協会は声明で、「今回の措置は大会前にFIFAが示していた退場選手への自動的な出場停止ルールと矛盾する」と指摘。さらにガルシア監督も「我々は代表チームや協会を守ろうとしているのではない。我々はサッカーを守っているのだ」と話し、競技の公平性を守るべきだとの考えを強調した。
『ESPN』は、ベルギー側が今回の判断は大会の公平性を揺るがしかねない問題だと受け止めていると報道。ピッチ内の戦いだけでなく、FIFAの異例の裁定を巡る議論も抱えたままキックオフを迎えることになった。
構成●THE DIGEST編集部
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