チリ政府が、10月に開催予定の「BTS(防弾少年団)」ワールドツアー・チリ公演の会場として予定されていたスタジアムの使用を承認しない決定を下し、公演開催の行方に注目が集まっている。
6日、スペイン紙「エル・パイス」や通信社EFEなど海外メディアによると、チリスポーツ省傘下のチリ国立スポーツ研究所(IND)は、10月14日、16日、17日にサンティアゴ(チリ)の国立競技場で予定されていた「BTS」の公演について、現時点では競技場の使用を承認しないことを決定した。
今回の判断は、公演内容そのものではなく、会場運営上の問題によるものとされている。
INDは技術面や運営面を評価した結果、「BTS」のワールドツアーで採用されている360度センターステージの設置が競技場の芝生の回復に悪影響を及ぼす可能性があると判断したという。
サンティアゴ国立競技場では11月にチリ代表のサッカー国際試合やプロサッカー公式戦など重要な日程が予定されており、芝生の保全を優先した措置とみられている。
一方、「BTS」の公演チケットは現地公演会社DGメディオスを通じて販売され、予定されていた3公演はすべて完売。それだけに、会場使用が認められないとの発表は現地ファンに大きな衝撃を与え、公演開催の可否も不透明な状況となった。
これを受け、5日には「BTS」のファン数百人がINDの決定に抗議するデモを実施。「BTSを国立競技場へ」「音楽も芸術も競技場を傷つけない」と書かれたプラカードを掲げ、サンティアゴ中心部を行進した。
参加者はチリ大統領府「ラ・モネダ宮殿」周辺まで移動し、政府の判断を批判。一部のファンからは、政府が話題性の高い「BTS」の公演を政治的に利用し、国民の関心を別の問題へ向けようとしているとの主張も上がった。
ただし、チリ政府は同日、現地公演会社が修正した技術提案書を提出したことを受け、公演承認の可否を改めて検討する方針を明らかにした。今後は追加の技術資料などを精査した上で最終判断が下される見通しで、現時点で公演中止が決定したわけではない。
「BTS」は今年4月にコヤン(高陽)でワールドツアーをスタートし、その後、東京、タンパ、エルパソ、メキシコシティ、スタンフォード、ラスベガス、プサン(釜山)、マドリード、ブリュッセルなど世界各地で公演を開催してきた。
チリ公演は南米ツアーの一環として予定されており、コロンビア、ペルー公演に続いて開催される重要な日程となる。今回のワールドツアーは、K-POPアーティストによる単独ツアーとしては過去最大規模で、来年3月まで世界34都市、全88公演が予定されている。
なお、「BTS」の所属事務所BIGHIT MUSICは、チリ公演について現時点で公式コメントを発表していない。

