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乃木坂46井上和、ライブや歌、ドラマで巧みな表現力を築いてきた軌跡「トイ・ストーリー5」でも発揮する声の魅力

乃木坂46井上和、ライブや歌、ドラマで巧みな表現力を築いてきた軌跡「トイ・ストーリー5」でも発揮する声の魅力

「トイ・ストーリー5」ジャパンプレミア レッドカーペットに登壇した乃木坂46・井上和
「トイ・ストーリー5」ジャパンプレミア レッドカーペットに登壇した乃木坂46・井上和 / ※2026年ザテレビジョン撮影

ディズニー&ピクサーの「トイ・ストーリー」シリーズの最新作で、7月3日に全国公開が始まった映画「トイ・ストーリー5」でデジカメのおもちゃ・スナッピー役の日本版声優を務めるのが、乃木坂46の井上和だ。持ち前の歌での表現力に加えて、演技面でも経験とチャレンジを重ねてきた彼女は昨今、演技者としてもマルチな力を発揮している。

■幼少期から親しんできたシリーズに出演決定

このほど公開された「トイ・ストーリー5」は、日本公開初週末3日間の動員数が164万人、興行収入が24億1510万円を記録。週末興行収入と動員数ランキングともに1位となり、さらに実写も含めたこれまでに公開された洋画作品のオープニング史上歴代No.1という驚異的な数字となった。

2005年2月生まれの井上にとって、1996年に第1作が日本で公開された「トイ・ストーリー」(ディズニープラスで配信中)シリーズは物心ついた頃から身近にあった。スナッピー役に決定を知らされたとき、思わず落涙するほとうれしかったという。スナッピーはトイレトレーニング用のハイテクおもちゃであるスマーティー・パンツ、カバのデジタルマップおもちゃのアトラスと「テック・トリオ」として活躍する。

ちょうどカメラのレンズの部分が目になっていて、オディロン・ルドンの絵画や「ゲゲゲの鬼太郎」の目玉おやじのような愛嬌がある。そのスナッピーを演じる井上の声は、快活さをベースに気持ちの切り替えが巧みかつ自然だ。スナッピーのテンションの違いがストレートに声に出ている。

■乃木坂46の5期生として加入4周年を迎えた

2022年2月に乃木坂46の5期生として加入してから4周年を迎え、グループを代表するエースメンバーの1人に成長した井上。シングル表題曲のセンターを複数回務めてソロ写真集も発売、舞台主演にラジオ番組「乃木坂46のオールナイトニッポン」のレギュラー…と、アイドルとしてできるあらゆるジャンルに挑戦してきた。そんな中で持って生まれた陽のオーラに加えて、声の魅力も大である。

井上の声は、混じり気のない理想的な声色をしている。アニメ声的でもあるが、歌唱になると音域が広く音程にも乱れがほとんどない。「新・乃木坂!スター誕生」(日本テレビほか)に始まる2年間で数多くのアーティストの曲をカバーし、さらに歌唱力を磨いた。同期の中では中西アルノや奥田いろはと共に、特に歌声が魅力的なメンバーに数えられている。

中西とは38thシングル「ネーブルオレンジ」でWセンターを務め、「THE FIRST TAKE」でもこの曲と、まだ2人が加入していない時期にリリースされた5thシングル「君の名は希望」をデュエットした。高音でもクールさがあって、哀愁もとどめている中西に対し、井上のボーカルは温かく包容力がある。お互いの持ち味ががっちりかみ合うコンビである。

そんな明るくて元気になれる声を持っているだけに、彼女がセンターを務めたシングル表題曲「おひとりさま天国」「チートデイ」はいずれもライブに欠かせないキラーチューンに。特に「チートデイ」のラストサビ前の「ごめんなさ~い!」の決めゼリフは、井上の声があってこそよりかわいくその場を盛り上げてくれる。
井上和(乃木坂46)
井上和(乃木坂46) / ※2026年ザテレビジョン撮影


■アニメ出演で声の演技も経験

シンガーとしては2025年3月の音楽アワード「MTV VMAJ」でボーカロイド曲「リレイアウター」をソロで歌唱した。学生時代からあまたのボーカロイド楽曲やその文化に親しみ、つらい時期も救われてきたという井上が、ボカロへの愛や、その世界観をリスペクトした表現を見せた。

他にもアニメ「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」(NHK Eテレ)では招き猫のにゃぎ、AI少女のつぐみとして出演している。特につぐみとしては、AIらしいクールな声作りも巧みで、アイドルとしてのイメージとのギャップも印象付けていた。

生の舞台での演技力や胆力を見せたのが、2024年に5期生全員で舞台を作った乃木坂46“5期生”版ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」である。井上は菅原咲月とのWキャストでセーラームーン・月野うさぎ役で主演。ワイヤーを用いたアクロバティックな演出にも対応し、ミュージカルゆえに当然歌もあるが明るい月野うさぎらしい、大らかな歌で原作のキラキラした世界観を作った。普通の少女から地球を守る戦士に変身するまで、エネルギッシュに演じ、舞台向きの華と表現力も体得していた。

その後、テレビ朝日新人シナリオ大賞(第23回大賞)受賞作のドラマ化作品「スプリング!」(2025年、テレビ朝日)で高校3年生の書道部長・逢坂碧役で主演。真面目な優等生の碧は、どことなく完璧なパブリックイメージがある井上とも重なるが、井上自身も高校時代は弓道に打ち込んでいて青春を一つのことに燃やす苦楽を知っている。

受験に失敗して再チャレンジとまさかの挫折を味わったり、恋の予感が舞い込んだりする日々をほとんど飾らずに演じた。スーパーアイドルではなく、人並みの感情を持った1人の高校生としてちゃんと画面の中に存在。そして映像の芝居でも、碧の真面目な性格に合わせて声色も切り替えられている。

■放送中の大河ドラマにも出演へ

現実との間に違和感を覚えさせない芝居ができる人であるので、茶々役で登場する予定の大河ドラマ「豊臣兄弟!」(NHK総合ほか)では、現代とかけはなれた乱世の中でどんな茶々を見せてくれるか、気になるところだ。

表現者として成長している一方で、乃木坂46の一員としては先輩・遠藤さくらのことが大好きだったり(加入前からのファンでもある)、実力を認め合う菅原や中西、趣味が合う池田瑛紗らと過ごす日々から、彼女自身も仲間から元気をもらっていることがうかがえる。

早くから抜てきされて5期生、そして乃木坂46のトップランナーとして今まで駆け抜け、プレッシャーや責任感など表に見せない戦いもあったに違いない。しかしそれでも期待に応え続けてきた。これからも仲間と一緒に、「努力、感謝、笑顔」を体現する表現者でい続ける。

◆文=大宮高史







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