
「まさか話すとは」敗戦後に見た“驚きの光景”。ラストゲームでC・ロナウドが貫いたプロフェッショナルな姿勢に感謝。前日のブラジル代表は酷いあり様だったが…【W杯舞台裏】
[北中米W杯ラウンド16]スペイン 1-0 ポルトガル/7月6日/ダラス・スタジアム
現地時間7月6日に開催された北中米ワールドカップのラウンド16で、クリスティアーノ・ロナウドを擁するポルトガル代表はスペイン代表と対戦。スコアレスで迎えた90+1分に失点し、0-1で敗れた。
試合後、現場にいた世界中の記者が、C・ロナウドの“一言を”待っていた。「代表引退を口にするのではないか」と。
今回のワールドカップでは、勝った方も負けた方も、お立ち台インタビューが用意されている。決勝トーナメントは基本3人ずつで、チームは必ず誰かを出さなければならない。
正直、「C・ロナウドが出てきて、話すわけがない」と考えていた。W杯で敗退が決定した後に取材に応じるのは、簡単ではない。誰よりも負けず嫌いの彼が対応するだろうか。
一人目はDFのルベン・ディアスが出てきたが、スペイン側と重なってざわついていたこともあり、ほぼ何も話さずにあっという間に帰ってしまった。
ニ人目はなんと、途中出場のDFネウソン・セメド。彼も、怒ったような表情をしていて、「今その話をする意味はあるのか?」「この試合について特にコメントすることない」と、まともに対応していなかった。
そして、それから30分ほどして、ついにC・ロナウドがやってきた。
「まさか話すとは――」
その場に記者が殺到するなか、質問は3つのみながら、真摯に対応した。
「もちろん、こういう形でワールドカップを去るのは悲しいことだけど、昨日の会見でも言ったように、僕はすべてを出し切った。ベストを尽くしたし、晴れやかな気持ちで去ることができる」
「たしかに、これが僕の最後のワールドカップだった。それ以外の点については考える時間が必要だ。感情に任せて決断するのではなくてね」
代表引退については、答えを保留した。だが、直接、口で話してくれたのは本当にありがたい。
驚いたのは、その後のミックスゾーンでも、TVエリアで2回、ペンエリアで2回、計4回も立ち止まって取材を受けたことだ。自分が確認した限り、ポルトガル代表でもスペイン代表でも、足を止めた選手は他にいなかった。
ちなみに、前日にノルウェーに敗れたブラジル代表は、3人のお立ち台選手が誰もこないという酷いあり様だった。
ピッチ上でのパフォーマンスには批判の声もあるかもしれない。だが、W杯ラストゲームで最後まで貫いた背番号7のプロフェッショナルな姿勢には、感動すら覚えた。
取材・文●江國森(サッカーダイジェストWeb編集部/現地特派)
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