
南沙良が7月6日に都内で開催された映画「マジカル・シークレット・ツアー」大ヒット記念トークショーに天野千尋監督とともに登壇。撮影秘話などを明かし作品の魅力を語り尽くした。
■南、天野監督、出席予定のニューヨーク・アジアン映画祭へ意欲
本作は2017年に中部国際空港で起きた、主婦たちが金の密輸で逮捕された事件から着想を得たオリジナルストーリー。一見犯罪とは無縁そうな二児の母、大学の研究者、妊婦の3人が金の密輸という秘密によって絆を深めていく。
南は主人公の和歌子(有村架純)とともに金の密輸に手を染める、未婚で妊婦のキャバ嬢・麻由を演じた。
公開から3週間が経ち、「スピード感もありおもしろかった」「これぞエンタメ映画」といった感想が寄せられている本作。周囲からの反応について南は「映画を2回、3回と観てくださる方も多くて、とてもうれしいです」と語る。
天野監督も「今日は南さんがいらっしゃるということで言うわけではないんですが、まわりの感想でも南さんの印象がすごく新鮮だったという声を多くいただいていますし、私も映画の中の南さんがとても好きです。なので、今日はそのあたりをたくさん話したいと思っています」とあいさつし、和やかな雰囲気の中でトークショーがスタートした。
本作は、7月10日(金)から26日(日)まで開催されるニューヨーク・アジアン映画祭でのインターナショナルプレミア上映会が決定し、南自身も同映画祭でライジング・スター賞を受賞している。これについて南は「最初はピンとこなかったんですけど、ニューヨークに行けるかもしれないと聞いて。気持ちが高まっています」と語った。
渡米するにあたり、南は「ニューヨークは2回目なんですけど、前回は時間がなくてどこにも行けなかったので、ほぼ初めてみたいな感じ。今回は1日オフがあるので、そのオフで何をしようかと思っていろいろと調べています」と明かした。
監督が「地下鉄とかにひとりで乗れるのか心配ですけど、映画のロケ地はまわってみたい」語ると、南は「私も『ナイトミュージアム』のロケ地(アメリカ自然史博物館)に行ってみたい」と、現地でしたいことを語り、ワクワクが止まらない様子だった。
■天野監督の南への印象に、南は戸惑い「…褒められているんですよね?」
本作が初のタッグとなった南と天野監督。互いの印象について質問された南が「監督は普段からあまり変わらないですが撮影現場になると、迫力は増すかもしれない。ちょっと大きく見えます。2倍くらい」と冗談めかすと、監督も「私はスクリーンの中のナイーブな役をやっている南さんしか知らなかったので、実際にお会いしたら印象が違いました。いい意味で、大雑把でざっくりとした方というか。陰陽でいうと、陽の部分が強い、魅力的な方だなと思いました」と続けた。
その言葉に南自身も、「確かに大雑把とは言われます」と笑って返すも、あらためて「…褒められているんですよね?」と確認して見せるなど、2人の信頼関係の深さがうかがえた。
南が演じた麻由は、キャバ嬢として働く顔と、妹の前で見せる「良いお姉ちゃん」という二面性を持つキャラクター。その細かなニュアンスについて監督は、「最初のリハーサルのときは、私も麻由のキャラクターを探っている感じがあったんですけど、南さんにお会いした時のいい意味での大雑把な感じが自分の中にあったので。それでちょっとヘラヘラしてもらえませんかとお願いしたんです」と語った。
その演出指示に対してほぼ即答で「はい、わかりました!」と返答したという南。細かいニュアンスをうまく伝えられたのだろうかと思ったという監督だが、「(撮影開始の)『ヨーイ!』と言った瞬間に一気に麻由のスイッチが入る感じでへラッと笑って、芝居がスタートするんですよ。それがすごく印象的で。やはり瞬発力がある方なんだなと思いました」と絶賛した。
しかし当の南は「あまり意識してなかったかも。とにかくヘラヘラしておけばいいやと思って。そこまで深く考えていなかったかもしれないです」とあっけらかんとした返答で、会場は大笑い。
そしてそれを補足するように監督が「でもすごいですよね。それによって家庭的には恵まれないし、なんかいろんな苦しいことが起こっているというのも、エネルギーで吹き飛ばしていくっていうか。すごく潔くて気持ちいい。カッコいいキャラクターになっていました」とさらに称賛。南も「ありがとうございます。今日はいっぱい褒めてもらえてうれしいです」と思わず笑顔に。「やはりライジング・スター賞ですからね」という呼びかけに、会場は和やかな雰囲気に包まれた。
また劇中では、篠原ゆき子演じる母親との複雑な関係を見せていたが、これについて「私の家族とは仲が良いので、特に参考にできるところはなかった」と語り、会場をドッと沸かせた南。しかし「家族の形に正解はないから難しいなと思いながらやっていた」とのことで、丁寧に役を構築していったという。

■“晴れ女”南沙良に監督からの無理難題「最初から力を出してほしかったな」
トークショー後半では、すでに映画を鑑賞した観客に向けて「誰も気づかないであろう注目ポイント」を紹介。天野監督は「撮影前に、3人(有村架純、黒木華、南沙良)でシンガポールの『マリーナベイ・サンズ』の形をしたポーズで撮った写真がありまして。それを美術スタッフが、とある場所に飾ってくれたんですけど、さりげなさすぎて誰も気付いてくれない」と明かした。これに南も「気づかなかった」と驚きを隠せない。
監督は「(黒木演じる)清恵の部屋にあるんですけど、3人の思い出を大事にしていて飾った写真だろうなということで飾っています。なかなか見つけられないとは思いますが、是非次に見るときには探してみて下さい」と告白しつつ、アピールした。
また、金塊を持って逃げるシーンの撮影中に、突然雨が降り出し、急きょ傘を用意して撮影を続行したことがあったという。そこで「南さん、晴れ女だと聞いていたんですけど…」と述べた監督。
これに対して南は「異国では難しいんですよ!(笑)でも撮影中に一回、雨がやんだタイミングがありましたよね?(監督うなずく)、ということでしっかり晴れ女は発揮できた」と誇らしげに返答。会場は大笑いに包まれた。
監督がさらに「あそこの一回、雨がやんだところは南さんの力だったのか…最初から力を出してほしかったな」とぼやくと、会場にはさらなる笑いが。
イベント終了の時間となると監督は「今、スマホでも映画が観られる時代に、こうして皆さんと同じ場所に集まって、2時間、同じ画面を見続けるのって、すごく貴重だし、ありがたいことだなとつくづく思っています。しかも皆さんとこうやってお話できて。本当なら皆さんからの感想もお伺いしたいのですが、それは別の機会ということで。とにかく皆さんの力で、この映画をもっと広めていただけたらうれしいです」とあいさつした。
続いて南も「何回見ても楽しめる映画だと思います。テーマとしては決して明るいものではないですが、悲壮感がなく、すごく笑いながら見られる作品になっていると思います。ぜひたくさん見て、宣伝していただけるとうれしいです。ありがとうございました」と会場に呼びかけ、イベントを締めくくった。


