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なぜ日本代表はイタリアを圧倒できたのか。27-10快勝の裏にあった"世界一"を自負する武器

なぜ日本代表はイタリアを圧倒できたのか。27-10快勝の裏にあった"世界一"を自負する武器

実力者同士の競争だ。

 ラグビーの新設ネーションズチャンピオンシップが7月4日に各国で開幕。南半球勢の一角となった日本代表は、夏と秋に欧州の強豪6か国とぶつかる。

 初戦は東京・秩父宮ラグビー場で行なわれ、世界ランクで2つ上回っていた10位のイタリア代表に27-10で快勝した。

 来日して間もないイタリア代表が多湿のグラウンドでハンドリングエラーを連発した一方、宮崎で約3週間のキャンプを張ってきた日本代表は攻守で持ち味の運動量を発揮した。
  敗れたフランカーのミケーレ・ラマロ主将が「日本の圧力が素晴らしく、かつ(湿度で)ボールが滑りやすくてキャッチングに苦しみました」とうなだれる一方、両軍最多の18タックルを放ったフランカーのベン・ガンターは勇ましく述べた。

「オフ・ザ・ボールは世界一の強み。お互いのためにハードワークする」

 後半11分。ウイングの石田吉平がその場にうずくまる。ジャンプしながらの競り合いで脇腹を強く打ったからだ。

 ハーフタイムには、過去のレフリーへの暴言で出場停止処分を受けていたエディー・ジョーンズヘッドコーチから個人的に電話で「きょうは吉平で勝て」と発破をかけられていた。何より…。

「頑張れとか、そういう声を多くいただいて。声援に後押しされた感じです」

 立ち上がったことでなお歓声を呼んだ。この日の入場者数は2万人超で、チケットは完売。栄えある新大会初戦に少なくない観客を集めた赤と白のジャージーは、80分間を通して踏ん張った。

 7-7だった前半17分。連続攻撃の8フェーズ目で、大胆な展開に舵を切る。左中間の接点にある球が手前のユニットに渡ったところで、もともと左側にいた3選手が右へ移動。「オフ・ザ・ボール」の頑張りで、局面の数的優位を生んだ。

 ラインブレイクした。もともとライン上にいて、その3名を引き連れるような形でパスコースへ駆け込んだインサイドセンターの廣瀬雄也が防御網を破った。最後は廣瀬に並走したフルバックの松永拓朗がフィニッシュした。

 高強度かつ献身的な動きの数を「ゴールドエフォート」という独自の指標で計測する日本代表が、名刺代わりといえるトライなどで14-7と勝ち越した。それを前後し、適宜、穴場へのキックを狙って首尾よく試合を支配した。
 「ハードワーク」は守りでも見られた。

 ロックのワーナー・ディアンズ主将が「自分たちにとって、勝ち」と思えたのは、17-7としていた前半終了間際である。
  自陣ゴール前で再三にわたって反則による被アドバンテージを与えながらも、転んでは起き上がって守る枚数を保った。ガンターが人を羽交い絞めにし、ナンバーエイトのジャック・コーネルセンが地を這い、齋藤がボールの行先で身を挺した。向こうにトライを諦めさせ、ペナルティーゴールによる3失点のみでしのいだ。

 ディアンズ、ガンター、コーネルセンらフォワード第2、3列勢のインパクトは強烈。主将経験者のリーチ マイケルが途中出場し、防御力を底上げしたあたりにも選手層の厚さを示した。

 空中戦のラインアウトでも要所でスティールを重ねた。「最初は(事前に用意した)プラン通りにやっていたら『ちょっと違うな』と思って、『変えよう』という話があって」とディアンズ。現場で修正する力を証明した。

 面々は左腕に、黒いテープをつけていた。指揮官の母が逝去したためだ。船頭は頷く。

「エディーさんにとってもしんどい時間。頑張っていかないと、という感じ。エディーのために、チームのために、皆、いいエフォートをしてくれた」

 今回に至っては両者の準備状況に違いがあり、それが互いのパフォーマンスに影響を与えたのは確かだろう。もっとも、現体制3シーズン目最初の代表戦で欲しかった成功体験が得られたのもまた確かだ。

 繰り返せば今度の大会では、欧州6強に激突する。

 続く17日にはオーストラリアでアイルランド代表と対峙し、18日には東京の国立競技場へフランス代表を迎える。フランス代表と予選が同組というワールドカップオーストラリア大会を1年後に控え、独自の勝ち筋を熟成させられるか。

構成●THE DIGEST編集部

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配信元: THE DIGEST

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