最新エンタメ情報が満載! Merkystyle マーキースタイル
「人々の記憶に残るのは政治介入かもしれない」欧米メディアから非難の声が続々…W杯を覆った“バロガン問題”

「人々の記憶に残るのは政治介入かもしれない」欧米メディアから非難の声が続々…W杯を覆った“バロガン問題”

現地時間7月6日に行なわれた北中米ワールドカップのラウンド・オブ16で、開催国アメリカ代表はベルギー代表に1-4の完敗を喫し、ベスト8進出はならなかった。

 開始直後からベルギーに主導権を握られ、FWシャルル・デ・ケテラーレのゴールで先制を許すと、一度はMFマリク・ティルマンのFKで追いつくも、その直後に再び勝ち越しを許し、後半にはGKマット・フリースの痛恨のミスから加点され、最後はFWロメル・ルカクにもダメ押しゴールを奪われて、共同開催国のカナダ、メキシコとともに姿を消した。

 グループステージでは2連勝で早々に突破を決め、決勝トーナメント1回戦でも10人となりながらボスニア・ヘルツェゴビナを撃破。上位進出の期待はかつてなく高まっていたが、真価を問われた今回のベルギー戦では、その勢いを全く発揮できなかった。
  この内容に、国内メディアは厳しい評価を下した。アメリカの大手放送局のスポーツ専門サイト『CBS Sports』は「ルーメン・フィールドは満員だったが、誰も歌ってはいなかった。アメリカ代表もピッチには立ったが、本当の意味で試合には現われなかった」と痛烈に綴り、「この瞬間は、彼らにはあまりにも大きすぎた。ハイインテンシティーを武器としてきたチームの姿はどこにもなく、ベルギーにボールを支配され、守備陣は相手を見送るだけだった」と酷評している。

 さらに、「敗れたこと自体ではなく、その敗れ方こそが問題だった」と断じ、「ベルギー相手に、真っ向勝負を挑むことすらできなかった。長年、『成長した』と言い続けてきたにもかかわらず、実際には進歩どころか後退していたように映った」と総括。「約10年にわたって『黄金世代』と期待されてきた選手たちは、才能をチームとしての結果へ結び付けられず、最後まで精神面の弱さという課題を克服できなかった」と厳しい現実を突き付けた。

 国外メディアも失望を隠さず、英紙『The Guardian』は「世界を驚かせたこれまでのパフォーマンスとは、似ても似つかない内容だった。これまでのアメリカほど、クオリティーの高いゴールを決め、長時間にわたって堅実に守れたチームはなかった。しかしこの日は、守備の受け渡しミス、安易なボールロスト、そしてGKフリースのパニックによって全てが終わった」と振り返っている。

 もっとも、この試合で世界の注目を集めたのは、FWフォラリン・バロガンを巡る騒動だった。ボスニア・ヘルツェゴビナ戦で退場処分を受けた同選手は、本来ならベルギー戦を出場停止となるはずだった。しかし、FIFA(国際サッカー連盟)は異例の判断で処分は保留。ジャンニ・インファンティーノ会長がドナルド・トランプ米国大統領から処分の再検討を求められていたことが明らかになり、「政治介入ではないか」との批判が世界中へ広がっていた。

『The Guardian』紙は、この問題を「アメリカにとって最悪の悪夢を閉じ込めた“パンドラの箱”を開けてしまった」と表現。「国中がこのチームに恋をし始めようとしていた矢先、公平性や正当性ばかりが議論されるようになった。バロガンは先発したものの、結果的にはベルギー守備陣をほとんど脅かせなかった。世界にアメリカのサッカーの価値を示そうとした大会は、結局またベスト16で終わった」と総括している。

 スポーツ専門チャンネル『ESPN』も、この一件が試合前の最大の話題だったと報道。「トランプ大統領やホワイトハウス関係者は、FIFAが通常なら1試合の出場停止となる処分を保留したことについて、自らの働きかけがあったと説明した。一部のファンは正当な判断だと歓迎した一方で、アメリカ国内でも疑問を抱く声があった」と伝えた。

  一方、スペイン・バルセロナのスポーツ紙『MUNDO DEPORTIVO』は、FIFAとトランプ大統領の対応が、むしろベルギーを奮い立たせたと分析。「ここ48時間の騒動が、眠っていた『赤い悪魔』たちに火を付けた」「インファンティーノ会長とトランプ大統領への反発心が、ベルギーから今大会最高のパフォーマンスを引き出した」「ベルギーはバロガンが出場しても、何も恐れることなく、開催国を圧倒した」と伝えた。そして、「試合はピッチ上で決まるものだというメッセージを、ベルギーが示した」と記事を締め括っている。
  ベルギーの母国紙『HLN』は、試合終了間際のルカクのゴール後、ベルギーの選手たちがトランプ大統領の有名なダンスを真似て祝福した場面を大きく報道。「バロガン問題は、我々をさらにやる気にさせた」とのMFニコラ・ラスキンのコメントや、GKティボー・クルトワが「アメリカを盛り上げたい気持ちは理解できるが、今日の勝利にはセネガル戦以上の自信があった」と語ったことを紹介し、やはりこちらも、騒動がベルギー側のモチベーションになっていたことを伝えた。

 フランスの日刊紙『Le Figaro』はさらに踏み込み、「FIFA製の小細工にもかかわらず、サッカーに正義はあった」と刺激的な見出しを掲げ、「バロガンの出場停止が、一国の大統領の働きかけによって覆るなど、前代未聞だ。馬鹿げた恥ずべきスキャンダルだった」と厳しく批判。「大会の品位と公平性に疑問を投げかける決定だったが、ベルギーが勝利したことで大会の名誉は守られた。もしアメリカがバロガンの活躍で勝っていたらどうなっていたかを想像してほしい」と論じ、「FIFAはこの件で、多くの信用を失った」と断じている。

 そして、この件についてはアメリカの国内メディアも問題視しており、通信社『Bloomberg』は「この騒動は、1試合だけの問題ではない」と警鐘。「FIFAは長年、アメリカを次なる巨大市場として育てようとしてきた。本来なら人々に記憶してほしかったのは、美しいゴールや名勝負だった。しかし今回、多くの人々の記憶に残るのは、ロビー活動や政治介入かもしれない」と指摘した。

 1982年スペイン大会で、フランスのゴールがクウェート王族(当時の同国サッカー協会会長)の抗議によって取り消された悪名高い前例にも触れながら、同メディアは「政治が大会の物語の一部になってしまえば、たとえ善意で下された決定であっても、全てが政治的に映ってしまう」と警告した。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】物議を醸したベルギーvsアメリカ戦
【画像】女優、モデル、タレントら美女がずらり!上田綺世、長友佑都、谷口彰悟…新旧日本代表の愛妻たちを一挙紹介

【画像】大谷翔平&真美子夫妻の“仲睦まじいツーショット”写真を厳選してお届け! 愛犬デコピンも登場
配信元: THE DIGEST

あなたにおすすめ