現地時間7月7日(日本時間8日)、40歳のカイル・ラウリーがソーシャルメディアを通じて、トロント・ラプターズと“1日契約”を結んで現役引退することを表明した。
「家族や友人、チームメイトたち、コーチ陣、対戦相手たち、スタッフ、メディア、そして何よりもファンのみんなに感謝している。すべてはみんなのおかげだ。心から感謝しているよ、ありがとう。トロント、ありがとう。カナダ、ありがとう。そして、いつも皆さんに話していた通り、ついにその時がやって来たんだ。俺はトロント・ラプターとして引退する――20年と1日。これからもずっと背番号『7』だ。みんな、愛しているよ。ピース」
ラウリーはSNSでそう語りかけ、20年間のキャリアに終止符を打った。
183cm・89kgのポイントガードは、2006年のドラフト1巡目24位でメンフィス・グリズリーズから指名されてNBAキャリアを始動。グリズリーズとヒューストン・ロケッツでキャリア最初の6シーズンをプレーし、2012年のオフのトレードでラプターズに入団した。
この移籍が飛躍のきっかけとなり、2021年に退団するまでオールスターに6度、オールNBAチームに1度選ばれるスター選手へと成長。ラプターズでは通算601試合に出場し、平均17.5点、4.9リバウンド、7.1アシスト、1.45スティールをマークした。
優れた得点力に加え、チームを束ねるリーダーシップ、上背こそないが強靭な肉体とタフネスを駆使したテイクチャージやハッスルプレー、リバウンドなど球際の争いで存在感を放ち、2019年の球団初優勝を語る上で不可欠な大黒柱となった。
ラプターズ退団後は、マイアミ・ヒート、フィラデルフィア・セブンティシクサーズで現役を続け、NBA史上12人目の“キャリア20シーズン”をプレーした選手に。計5球団を渡り歩いたが、オールスターへ飛躍し、優勝を成し遂げたラプターズはラウリーにとって特別なチームとして心に残り続けていた。
ラプターズ時代に着用した“背番号7”にちなみ、7月7日にトロントで会見を行なったラウリーは「トロントはこれからもずっと自分のホーム。ここで特別なものを築き上げ、ともにチャンピオンになった」と述べ、慣れ親しんだ古巣との“1日契約”を感慨深く語った。「俺はこれまでずっと『ラプターズの選手として引退する』と言い続けてきた。今日それを実現できたことは、自分にとってものすごく重要なことだ」
ラプターズはラウリーの背番号7を永久欠番にすることを正式に発表。セレモニーの日時は、来季の日程が発表後にリリースされる見込みだ。
ヴィンス・カーター(15番)に続く球団史上2人目の欠番入りは、ラプターズ史上最高の選手を意味するG.R.O.A.T.(Greatest Raptor Of All Time)と知られるラウリーにとっても格別だろう。
9シーズン在籍したラプターズで、ラウリーは通算アシスト数(4277本)、スティール数(873本)、トリプルダブル数(16回)、3ポイント試投数(4031本)と成功数(1518本)で球団歴代トップに君臨。さらに1万540得点と出場試合数(601)で2位、通算2954リバウンドでも4位に入っているのだから、永久欠番は十二分に値すると言える。
昨季は『Prime Video』のアナリストにも就任したラウリー。引退後も放送関係の仕事をしつつ、趣味のゴルフを満喫し、子どもたちとの時間も楽しみにしているという。
NBAのタフな環境で20シーズンを戦い抜いたガードは、自身のキャリアをこう総括した。
「自分のキャリアには満足している。金メダルやチャンピオンシップ獲得、オールスターやオールNBAチーム入りなど、数多くのことを成し遂げてきたからね。家族を支えることもできたし、それがなによりも嬉しいね。最高の子どもたちにも恵まれた。彼らは自分のキャリアの多くの場面を目にし、その一部になってくれたんだ。本当に素晴らしいことだと思っているよ」
ラプターズは、球団の功労者を称えるイベントを9月の週末に開催することも発表している。その頃には来季のスケジュールも公開され、永久欠番セレモニーの日時も正式発表されることだろう。
今後は、アナリストとして自身の経験や考えを視聴者へ伝えるラウリーのトークに注目していきたい。
文●秋山裕之(フリーライター)
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