FA(フリーエージェント)選手との契約締結が解禁された現地時間7月6日(日本時間7日)、ミルウォーキー・バックスとマイアミ・ヒートによる大型トレードが正式に発表された。
このトレードで、バックスはヤニス・アデトクンボとボビー・ポーティスをヒートへ放出。その見返りに、タイラー・ヒーローとケレル・ウェア、ハイメ・ハケスJr.、カスパラス・ヤクチョニス、ドラフト1巡目指名権3つ(今年の13位指名権と2031、2033年)、2030年の1巡目指名権のスワップ権、2033年の2巡目指名権を獲得した。
13シーズンにわたって在籍したフランチャイズプレーヤーであり、NBAトップレベルの実力者(アデトクンボ)とリーグ有数のシックスマン(ポーティス)を手放し、新たなチーム作りを始めることになったバックス。
昨季はイースタン・カンファレンス11位の32勝50敗(勝率39.0%)と低迷し、プレーオフ連続出場が9シーズンで途切れた。シーズン終了と同時にドック・リバースHC(ヘッドコーチ)が辞任し、来季からテイラー・ジェンキンス新HCが指揮を執る。
ロスターにはライアン・ロリンズやケビン・ポーターJr.、マイルズ・ターナー、カイル・クーズマらが健在。7日の6チームが絡んだ大型トレードでトーリアン・プリンスとギャリー・ハリスを放出し、デトロイト・ピストンズからキャリス・ルバートも加えた。
ヒートから加わった新戦力組も主力として期待されているが、なかでも注目はヒーローだ。26歳のスコアリングガードにとって、ウィスコンシン州ミルウォーキーは生まれ故郷であり、同州は高校時代まで過ごしたホームタウン。心機一転を図るには絶好の場所と言っていい。
ヒーローはソーシャルメディアを通じて、2019年のドラフト指名から7シーズンを過ごしたヒートへの感謝を綴り、新天地へと旅立った。
「7年間。この街が自分にとってどれほど重要なのか、言葉にするのは難しい。ケンタッキー大から出てきた19歳の若者をマイアミがドラフト指名してくれた時、チームはまだ何の実績もない僕のことを信じてくれた。僕らはともに、バスケットボールがもたらすあらゆる経験を分かち合ってきた。
コートへ立つたび、僕の目標はマイアミへもう一度チャンピオンシップをもたらすことだった。この街は、バスケットボール選手としてのキャリア以上のものを与えてくれた。僕が人間として成長し、大人になり、父親になった場所。生涯続く絆を築いたことで、マイアミは僕の『ホーム』になったんだ」
ルーキーシーズンからローテーション入りしたヒーローは、1年目からチームのファイナル進出に貢献。2023年のファイナル進出時はケガのためプレーオフ1試合のみの出場に終わるも、キャリア3年目で最優秀シックスマン賞、6年目の一昨季にはオールスター選出と、着実に成長を遂げていった。
ヒーローはヒートの関係者とファンへ、改めて感謝を述べた。
「故郷のミルウォーキーで始まる新たな章に胸を躍らせているけど、僕の心の一部はこれからもずっとマイアミとともにあり続ける。マイアミは僕のキャリアを形作っただけでなく、人生そのものを形作ってくれた。すべてのことに感謝している」
ヤニスという絶対的な柱を失い、先行きが不透明なバックスだが、5シーズン続けて平均20点以上を記録するヒーローが地元で躍動できれば、イーストのプレーオフ争いへ参戦するチャンスは十分あるはずだ。
文●秋山裕之(フリーライター)
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