2003年の全米オープン覇者で男子テニス元世界ランキング1位のアンディ・ロディック氏(アメリカ/43歳)が、自身のポッドキャスト番組『Served with Andy Roddick』に出演。開催中の四大大会「ウインブルドン」で4回戦敗退に終わり、試合後の記者会見で精神面の苦悩を告白した現6位のアレックス・デミノー(オーストラリア)について、テニス面の課題を指摘した。
今大会に第5シードで出場した27歳のデミノーは、3回戦まで失セット1の安定した戦いを披露。しかし4回戦では先の「全仏オープン」(クレー)で初の四大大会決勝進出を果たした第9シードの24歳フラビオ・コボッリ(イタリア/現10位)に5-7、6-7(4)、3-6でストレート負けを喫した。その後の会見では「今は心の底から打ちのめされている」と沈痛な面持ちを見せ、次のように語った。
「今日のような大一番に向けて、本当に多くの時間と何年もの歳月を費やしてきた。それなのに期待に応えられず、本当に胸が張り裂ける思いだ。もっと上を目指したいのに、それ以上へ行けない。そんな葛藤と毎日向き合っている」
現在、自己最高タイの世界6位に位置するデミノーだが、四大大会では過去7度準々決勝に進みながらベスト4進出が一度もなく、今大会も壁を越えられなかった。本人は「問題はテニスそのものではない」と語り、自身の課題は精神面にあるとの見方を示したが、ロディック氏は技術&戦術面にも改善の余地があるとし、中でもセカンドサービスの配球が単調になっていると指摘した。
まず同氏はコボッリ戦の内容に触れ、デミノーが同じコースへのセカンドサービスを繰り返したことで相手に狙いを定められたと分析。「私なら自分の家を賭けても、どのコースに打つかを当てられたと思う」とまで述べ、「時速94マイル(約151キロ)のセカンドサービスをセンターへ打ち続けていた。それに対してコボッリは『回り込んで攻撃的なリターンを打てる』と悟り、それ以外のコースを警戒する必要がほとんどなかった」と続けた。
さらにデミノーがデュースサイドからワイド(フォアハンド側)への配球を一度も見せなかった点にも触れ、「私ならファーストサービスの球速をあと3マイル(約5キロ)上げるよりも、セカンドサービスのバリエーションをあと3つ増やすことを考える」とコメント。「様々なコースを相手に意識させなければならない」と、改めて改善点を説いた。
一方で、デミノーの自己分析には概ね同意し、「それだけ悔しがり、本気で勝ちたいと思っている姿勢は尊敬できる」と勝利への姿勢を称賛。「今大会は(ヤニック・)シナー(イタリア/現1位)、(カルロス・)アルカラス(スぺイン/同2位)、(ノバク・)ジョコビッチ(セルビア/同8位)も同じ山にいなかったから、大きなチャンスを逃したと思う」と率直な考えも口にしつつ、「彼ならまた立ち上がるだろう」と悩める27歳へエールを送った。
文●中村光佑
【動画】デミノーがコボッリに敗れたウインブルドン4回戦ハイライト
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