テニス四大大会「ウインブルドン」は大会12日目の現地7月10日に男子シングルス準決勝が行なわれ、ワイルドカード(主催者推薦)で出場したアーサー・フェリー(イギリス/世界ランキング114位)がセンターコート第1試合に登場。第2シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/同3位)と対戦したが、6-7(2)、2-6、4-6で敗れ、夢のような快進撃に幕を閉じた。
23歳のフェリーは今大会、1回戦でダミール・ジュムホール(ボスニアヘルツェゴビナ/同105位)、2回戦でオットー・バルタネン(フィンランド/同140位)、3回戦でジズー・ベルグス(ベルギー/同37位)、4回戦でグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア/同146位)、さらに準々決勝では第9シードのフラビオ・コボッリ(イタリア/同10位)を次々と撃破。自身初のベスト4進出を果たし、一躍大会を沸かせる存在となった。
ズベレフとの準決勝では、第1セットこそ互角の戦いを演じたものの、第2、第3セットは相手の強烈な強打に押し切られてストレート負け。試合を通じてフェリーのウイナーは13本だったのに対し、ズベレフは44本を記録し、攻撃力の差を見せつけられた。試合後は敗戦を素直に受け止めながらも、自身の戦いを誇らしく振り返った。
「毎回ベストを尽くし、精神的に集中していた。ただ今日はそれが少し足りなかった。まだ一歩及ばなかったのかもしれない。相手はまた一段階上のレベルだった。それでも、決して諦めず、本当に自分の限界まで追い込んだことこそが、最も誇りに思う」
ウインブルドンでワイルドカードから4強入りを果たしたのは、2001年に世界125位から優勝を成し遂げたゴラン・イバニセビッチ(クロアチア)以来、史上2人目。また、英国男子としてはオープン化以降5人目の準決勝進出である。今大会で見せた旋風は大会会場だけでなくイギリス全土を熱狂させ、「フェリー・マニア」と呼ばれる現象まで巻き起こした。
「この2週間、これほど多くの応援やファン、ソーシャルメディアやヘンマン・ヒル、マレー・マウントでの熱烈な声援を受けるのは、私にとって初めての経験だった。それが私にもっと上を目指させ、コートでベストを尽くす原動力になっている」
大会後に更新される世界ランキングでは78ランクアップし、自己最高の36位に浮上する予定。また、賞金90万ポンド(約1億9600万円)を獲得したが、これは今大会前までのシングルスとダブルスを合わせたキャリア通算賞金総額(約1億4300万円)を上回る額となる。
「間違いなく、生活は変わっていくだろう」とフェリーは将来を見据える。
「少なくとも1年間は、できればそれ以上、ツアーの大会に出場できるようになると思う。その変化や、それに伴う自分自身、そして周りの人々からの期待にどう応えていくのか、とても楽しみだ。それら全てに対処するのは挑戦になるだろうが、私はそのことを覚悟している」
構成●スマッシュ編集部
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