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エディー・ジャパンの新10番が躍動! イタリア撃破で示した21歳の才能に指揮官も期待大

エディー・ジャパンの新10番が躍動! イタリア撃破で示した21歳の才能に指揮官も期待大

上々の滑り出しだ。

 明大ラグビー部4年の伊藤龍之介は7月4日、日本代表の10番として新設のネーションズチャンピオンシップ初戦で先発フル出場。司令塔のスタンドオフとして妙技を重ね、世界ランクで2つ上回るイタリア代表を27―10で下した。

 普段の公式戦もおこなう東京の秩父宮ラグビー場にいながら、ひとつ、新たなステージにのぼった。

「会場に入ったら、いつも使っている秩父宮に少し違った印象を受けました。大学の試合では本当に緊張しないんですけど、マオリ(後述)だったり今日だったりは…(緊迫感を覚えた)」

 地ならしはしてきた。
 
 年代別代表や下部組織での活躍を経て、6月13日からの宮崎合宿へ参加。同じ位置で故障者が出たのもあって、主力候補と多くの時間を共にした。

 27日には愛知・パロマ瑞穂スタジアムで、JAPAN XV名義によるマオリ・オールブラックス戦に出た。31―38で惜敗も、低い弾道のキックパスを2つのトライに繋げるなど爪痕を残せた。

 そして迎えた本番。好判断による足技で光った。

 0-7とビハインドを背負っていた前半7分頃には、中盤から右奥へ高い弾道のキックを放った。それまでフェーズを継続させながら、やや押し戻されていたなかでの決断か。

 結局、伊藤が蹴ったボールをウイングの植田和磨が追いかけ、競り合う相手の落球を誘った。好位置でのリスタートを得たら、11分、大型化の進んだフォワード陣の突進また突進で7-7と同点にした。

 続く13分頃には、中盤からの左奥への高いキックを繰り出す。その場に待ち構えた捕球役へインサイドセンターの廣瀬雄也、フランカーのベン・ガンターが順にタックル。17分、防御を引き寄せながらのパスで勝ち越しトライをおぜん立てした。

 所属先の戦術上よく練習していたハイパントという球種が、大舞台で映えた。

「大学でもハイパントやキックパス(の個人セッション)はしていましたけど、特にこのイタリア代表戦ではそれを使ってゆくだろうなと思い、この 1 週間、練習しました」

 イタリア代表戦の直前に合流した、スクラムハーフの齋藤直人と映像を見ながら打ち合わせができたのもよかった。

「やっぱり準備が全てかなと。直人さんとたくさん喋って不安を消して試合に臨めたのが、自分のパフォーマンスを発揮できた(理由)」 

 徐々にスコアを広げていた後半21分には、敵陣10メートル線付近左中間でターンオーバーボールを確保。右方向に穴場を見つけ、低い球筋を放つ。エリアを前進させた。

 33分には、自陣で左右へ展開した末に同10メートル線付近中央から左奥へ長距離砲を放った。相手の後衛の逆を突く形で、楕円球を22メートルエリアの左タッチラインの外へ転がした。自軍ボールで再開できる50・22キックとなった。

「少し点差が空いて、少し余裕ができて、視野も広がって見えました」

 身長172センチ、体重77キロでランも強みという21歳のタクトで、白星発進できた。コンビを組んだ7歳年上の齋藤は、堂々とした新しい後輩をこう讃える。

「若いと感じさせないところが、すごいです」

 本人は足元を見つめる。2027年のワールドカップオーストラリア大会について聞かれ、こう応じる。

「きょうは本当に味方の選手に色々と助けてもらいながらこういう結果にできた。まだまだジャパンの一員として引っ張れる自信はないですけど、ここからあと何試合かの中でチームを引っ張っていけるように(なりたい)。そうしたら、ワールドカップも見えてくるのかなと思います」

 チームは5日以降にオーストラリアへ渡り、11日にはニューカッスルのマクドナルドジョーンズスタジアムで2戦目に臨む。世界ランク3位のアイルランド代表と対峙するその日をにらみ、エディー・ジョーンズヘッドコーチは若き司令塔をこの気持ちで送り出す。

「若い10番(スタンドオフ)。いい時もあれば悪い時もあると思います。ただいかなる場合でも、チームがサポートする。伊藤には自分らしくプレーしてほしい」

取材・文●向風見也(ラグビーライター)

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配信元: THE DIGEST

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