訪日外国人が増え続ける日本で、公共交通機関を支える交通系ICカードに意外な弱点が指摘されている。外国人旅行者にとってのチャージや、スマホ対応の壁だ。
日本ではSuicaやICOCAを使えば電車やバスだけでなく、コンビニや飲食店での支払いまでできる。ところが駅で販売されているカード型ICカードへのチャージは、いまだに現金が基本だ。
海外ではクレジットカードやスマートフォン決済で公共交通機関を利用する国が多いため「なぜカードに現金を入金する必要があるのか」と戸惑う旅行者が。
スマホ利用にも落とし穴がある。海外で購入したスマートフォンでも、日本の交通系ICサービスに対応できる端末はあるものの、海外のApple IDを利用している場合、日本向けアプリのダウンロードで地域制限に遭遇するケースがある。短期間の旅行者にとって、わざわざアカウント設定を変更してまで利用するのは大きな負担となる。
海外のAndroid端末には、日本の交通系ICで使われるFeliCa規格に対応していない機種が多く、「最新スマホを持っているのに、日本では使えない」という事態が起きている。
利用できる路線やエリアはまだ限られている
もっとも、こうした不便を解消する動きは既に始まっている。近年では一部の鉄道会社で、クレジットカードやスマートフォンを改札にタッチするだけで乗車できるサービスが導入され、訪日客の知るところとなっている。
ただし、現時点では利用できる路線やエリアは限られており、外国人旅行者が日本全国で自由に使える環境にはまだ至っていない。
キャッシュレス大国を目指す日本において、交通系ICカードに見られる世界とのギャップ。外国人旅行者にしてみれば、スマホ決済が当たり前の時代に、駅で現金をチャージする光景は「前時代的」に感じられるのだ。そのギャップをどう埋めるかが、今後のインバウンド対応の課題となる。
(旅羽翼)

