談寛 冒頭で申しました通り、私、真打昇進したのですが、まだまだ道に惑う者であります。私のこの先について、初代からぜひアドバイスなどいただけると、うれしいのですが。
ダンカン そうね。目立ってください、それしかないよ。目立たなかったら芸人じゃないから。あなたが目立てば周りの対応も変わってくるし、環境もよくなってくる。もっと自分の好きなこともできるようになるしね。
談寛 実は私、目立つということが子供のころから苦手なほうで‥‥。
ダンカン それでよく噺家になったもんだな(笑)。目立つとなれば、いっそ“炎上”でもいいんじゃない。あとのことは人の目が集まってから考えればいいんだからさ。
談寛 見てもらわないと始まらないですもんね。
ダンカン 目立つ人といえば林家ペーさん。ペーさんってすごくいい人で、怒ったところを見たことなかったんだよ。どこまでが限界なんだろうと思って、昔、番組のテーマとして考えたの。で、ペーさんの前で(妻の)パー子さんにキスしたらどうなんだろう?ってことになってね。
談寛 そ、それは‥‥。ペー師匠はどんなリアクションをされたんですか?
ダンカン いきなり俺がこういうふうに(身振り手振りで)ブチュー! って唇奪ってやったんだよ。そうしたらぺーさん、あわてて「ちょ、ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと、待ってくださいッ! 今撮りますからッ! そのまま、そのまま!」ってカメラ構えて写真撮ってるの(笑)。
談寛 今でいうネトラレですね(笑)。
ダンカン ペーさん、いい意味で狂ってる。ああじゃないとダメなんだよ。
談寛 狂ってないとダメなんですね。
ダンカン 人様に危害を加えない程度にね。結局、世の中って“珍獣”にしか目を向けないからね。本当に冷たいんだよ、この人間社会って。そういう中で目立ってナンボの仕事を選んだんだから、やっぱり珍獣になるしかない。
談寛 珍獣─目指してみようと思います。ありがとうございました!
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帰り際、「また食事においで」とお誘いいただいた。これからも初代様の後を追い続けようと思い、後ろ姿をぼんやり眺めていたら、背中に張り紙が貼られていたのに気づいた。
ダンカン主演映画「抗う者たち」DVD(スターシャインプロモーション)発売中! 初代様、恐ろしい人だ。
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ダンカン/1959年生まれ。落語家を志し、立川談志に入門。「立川談かん」を名乗る。その後、ビートたけし率いる「たけし軍団」に加わる。タレント、俳優、放送作家として幅広く活躍。所属事務所「TAP」専務取締役。
立川談寛/1981年生まれ。2008年、立川談志に入門。「立川談吉」を名乗る。11年、二ツ目昇進。12年、立川左談次門下へ。18年、立川談修門下へ。26年3月1日、真打昇進、「立川談寛」に改名。
立川談寛さんの「真打昇進記念独演会」(26年9月5日・北海道帯広市芽室町中央公民館大ホール)が故郷凱旋で開かれます。チケット販売情報及びその他の落語会スケジュール等の情報は、「談吉改め立川談寛公式HP」にて。https://dankan.net/
(対談構成/立川談寛)

