テニス四大大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン)は大会13日目の現地7月11日に車いすテニス女子シングルス決勝が行なわれ、第1シードで世界ランキング1位の上地結衣が、第2シードで同2位のディーデ・デフロート(オランダ)を6-0、6-0で完封し、悲願の大会初優勝並びに四大大会シングルス12勝目を飾った。
32歳の上地はこれまでに全豪オープン、全仏オープン、全米オープンを制し、2024年のパリパラリンピックではシングルス金メダルを獲得。そして今回、唯一未制覇だったウインブルドンで頂点に立ったことで、全四大大会とパラリンピックを制す「生涯ゴールデンスラム」の偉業を達成した。これはデフロート、国枝慎吾(男子元1位)、小田凱人(男子現1位)らに続き、車いすテニス競技では男女を通じて史上6人目の快挙だ。
聖地ウインブルドンでは22年と昨年の2度決勝に進出しながらいずれも敗れていた上地だったが、3度目となった今回は四大大会シングルス24勝を誇る元1位の29歳デフロートを寄せ付けず、衝撃の“ダブルベーグル”(スコアに0が2つ並ぶこと)で完勝。優勝後の上地は涙が止まらず、表彰式のスピーチでも感情を抑えきれなかった。言葉を詰まらせながらも次のように喜びを語っている。
「生涯ゴールデンスラムは私の夢であり、今年最大の目標はウインブルドンで優勝することでした。でも今は、本当にそれが実現したことがまだ信じられません。昨年の決勝で敗れてから、ここまではとても長く感じました」
「ただ私にとっては、目標を達成できたこと以上に、家族やチームを含め私を支えてくださっている方々とこの瞬間を分かち合えたことが本当にうれしいです。優勝の瞬間は感情があふれただけではなく、ここまで自分が積み重ねてきた努力や、共に歩んできた人たちのことが思い浮かんできました」
この日の対戦相手がデフロートだったことも、上地にとっては大きな意味を持つ。両者はパリパラリンピックと先の全仏オープンを含め過去69度対戦しており、上地から20勝49敗。しかし直近8試合では5勝3敗と巻き返しを見せており、節目の70度目となった今回は宿敵を圧倒した。
そんなデフロートとのかけがえのないライバル関係に触れつつ、上地は次のように試合を振り返った。
「ディーデとは本当に何度も対戦してきましたが、私にとって最も印象的な彼女との試合は、一昨年のパリパラリンピックでした。あの試合は最後のポイントがダブルフォールトで終わったので、今回は自分のサービスで、自分の力で試合を締めくくりたいという気持ちが強くありました」
なお、上地の聖地での戦いはまだ終わっていない。今大会には単複でエントリーし、同じく第1シードで出場している女子ダブルスでもジュ・ジェンジェン(中国/現10位)とのペアで決勝に進出。四大大会での同種目通算24勝目と単複2冠を懸け、本日12日に予定されている決勝では第2シードのリー・シャオフイ/ワン・ジイン(共に中国)と対戦する。
文●中村光佑
【画像】上地結衣ほか、ウインブルドン2026を戦う女子トップ選手たちの厳選フォト!
【関連記事】車いすテニスの上地結衣、ウインブルドン初優勝ならず。過去8勝1敗の中国選手に敗れ「この敗戦を受け入れるのが難しい」<SMASH>
【関連記事】「もらい泣きしそう...」車いすテニス上地結衣がシングルスで涙の金メダル!日本女子初の“2冠”に列島歓喜「新たなる史上最強女王」パリパラリンピック

