
町田の松尾佑介がピッチに立つ意味。チームを前進させ、ゴール前に近づく。浦和からやってきたスピードスターがJ1制覇への切り札となれるか
“町田の松尾佑介”がベールを脱ぐ――。
7日間に及んだ青森キャンプを7月11日に打ち上げた町田にとって、最終日に行なわれた八戸とのトレーニングマッチは、浦和から加入した新戦力のお披露目が最大の目玉だった。
松尾は30分×3本の2本目、19分から出場。最初の見せ場は3本目の8分だった。右サイドでセカンドボールを回収し、そこから一気に加速したドリブルでアタッキングエリアへ進入すると、ゴール前に上げたクロスが最終的にミッチェル・デュークのヘディングシュートにつながった。
また直後の9分、松尾は相手とうまく入れ替わって一気にスピードアップ。再びゴール前に入れたクロスは相手DFにクリアされた。
初速のスピードで相手を置き去りにする突破力は、松尾の真骨頂。結果的にゴールには結びつかなかったが、「僕がピッチに立っている意味でもあるし、チームを前進させたり、ゴール前に近づくという面では良かったのではないでしょうか」とうなずく。
クロス供給に精度が伴えば百人力。それでもチーム合流からわずか1週間足らずでは、ゴール前の選手たちと呼吸を合わせるのは難しい。松尾も反省の弁が口をつく。
「周りはクロスにどんな形で入っていくのか。イマイチ掴めていないので、(黒田剛)監督も言っていましたが、できればゴロのクロスがベストだと思います。クロスのチョイスに関しては、町田が求めているものと、今までの僕がやってきたことと少し違います。中の入り方もそうですし、そのあたりはチームメイトとすり合わせていければと思います」
なお、オフ・ザ・ボールの動きに関しては、配置された右サイドから左サイドへ流れる機会も多く、相手の綻びを探り当てようと奮闘。多少はプレーエリアを逸脱しながらチャンスメイクを模索した点については「フォワードが降りてきたら、そこの裏を狙うことが相手にとってはダメージが大きい」と狙いを解説する。
八戸戦のプレータイムは約40分。まだまだ個人としての本領発揮には程遠いものの、「スプリントの回数や出力も出せていた部分もあった」と新天地での対外試合一発目にしては「思ったよりは動けた」という。
ただ、アタッカーとして、シュートまで持ち込めなかったことは反省点。松尾本人は「相手もかなりボックス内に人数がいたので、難しかったけど、もう少しシュートチャンスに絡めれば」と前を向いた。
チームは2日間のオフを挟み、14日から沖縄で二次キャンプを張る。現地では群馬や藤枝とのトレーニングマッチも組まれているため、相馬勇紀や浦和でチームメイトだった明本考浩との共存にも期待が膨らむ。相馬は言った。
「僕に似ていて推進力もありますし、速さもうまさもある。仮に後ろ向きでボールを受けても失わないですし、相手と入れ替わることもできるので、一緒にプレーできるのは楽しみです」
キックオフミーティングで黒田監督が口にした「J1優勝」。浦和からやってきたスピードスターがJ1制覇への切り札となれるか。必見だ。
取材・文●郡司聡(スポーツライター)
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