サンアントニオ・スパーズのヴィクター・ウェンバンヤマは、現地時間7月10日(日本時間11日)にスパーズと5年総額2億5200万ドル(約408億円)のルーキーMAX延長契約に合意したと『ESPN』のシャムズ・シャラニア記者が報じた。フランチャイズOBである元NBA選手のダニー・グリーンは「王朝の始まりだ」と古巣に期待を寄せている。
2023年のドラフト全体1位でスパーズに入団したフランス出身のウェンバンヤマは、ルーキーイヤーから主力を務め、平均21.4点、10.6リバウンド、3.9アシスト、1.2スティール、3.6ブロックの好成績をマーク。新人王とブロック王に輝いた。
右肩の血栓症により不完全燃焼に終わった2年目を経て、3年目の昨季はケガもありながら64試合に出場して平均25.0点(リーグ13位)、11.1リバウンド(同4位)、3.1アシスト、1.0スティール、3.1ブロック(同1位)、フィールドゴール成功率51.2%、3ポイント成功率34.9%を記録。チームも62勝20敗でウエスタン・カンファレンス2位につけ、7年ぶりのプレーオフ進出を果たした。
ポストシーズンに入ってもチームは好調を維持し、12年ぶりにNBAファイナルに進出。ニューヨーク・ニックスにシリーズ1勝4敗で敗れたものの、チームを牽引した22歳のウェンバンヤマは、5年総額2億5200万ドル(約408億円)のルーキーMAX延長契約に合意した。
シャラニア記者によると、今回の契約は5年目をプレーヤーオプションとする一方、条件を満たした場合に総額を引き上げる「スーパーMAX」のエスカレーター条項は盛り込まれなかったという。
来季にMVPや最優秀守備選手賞の受賞、またはオールNBAチーム選出を果たせば、シーズン終了後に契約総額が約3億300万ドル(約491億円)まで引き上がるスーパーMAXの資格を得られる可能性が高いと見られていたが、その条件を見送ったことになる。
スパーズはウェンバンヤマ側に30%スーパーMAX(サラリーキャップの30%を上限とする契約)を含む複数の契約案を提示。しかし、ウェンバンヤマは長期的な優勝争いができるロスターをキープしやすくするため、敢えてサラリーキャップの25%を上限とするMAX契約を選択したという。 スパーズの英雄であるティム・ダンカン、トニー・パーカー、マヌ・ジノビリとともに優勝した経験を持つグリーンは、『ESPN』の番組『SportsCenter』で、「ヴィクターは正真正銘、生まれながらのスパーズの選手。ティム・ダンカン、トニー、マヌ以来、みんなが減額を受け入れてきた。そうすることで、チームが勝つために、自分の周囲にさらに多くの戦力を揃えられるようにするんだ」と、スパーズの選手に浸透する“チーム精神”について説いた。
「ステフォン・キャッスルやディラン・ハーパーのような選手たちを満足させ続け、ディアロン・フォックスやケルドン・ジョンソンのような選手で周囲を固める。才能を活かせる環境を作るんだ。ジェイレン・ブランソンがニックスでこれをやったのを見ただろう。OG・アヌノビー、ジョシュ・ハート、ミケル・ブリッジスといった大学時代のチームメイトたちで周囲を固めることができた。
こういう自己犠牲に対しては、バスケットボールの神様が報いてくれる。それは10倍になって自分に返ってくるものだと思う。だから、これは彼らの王朝の始まりだ。彼が(サラリーキャップの)スペースを空け、周囲に才能ある選手を揃えたことで、これから優勝を重ねていくことを期待している」
「チームに足りない要素はあるか」と尋ねられたグリーンは、「彼らは多くの良い戦力を獲得したと思う」と、古巣のオフの動きを評価した。
「ドラフトでもビッグマンのポジションで非常に上手く立ち回り、層を厚くした。トバイアス・ハリスや、(再契約で)戻ってきたハリソン・バーンズといったベテランの存在感もある。これ以上必要なものはあまりないと思う。シーズンがどう進むか見守る必要があるが、あらゆるセクションで非常に選手層が厚い。私は彼らを来シーズンの優勝候補筆頭だと考えている」
来たる新シーズン、スパーズはウェンバンヤマを中心に、2013-14シーズン以来となるリーグ優勝を勝ち獲れるだろうか。
構成●ダンクシュート編集部
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