7月17日までの特別国会は、高市政権が残りの日程で「皇室典範改正案」「副首都構想関連法案」などの重要法案をどう成立させられるかが焦点となる。しかし法案の行方もそうだが、与党議員の最大関心事は国会終了後、旧盆前後に行われるという内閣改造だ。
政治部記者が言う。
「改造の焦点は三点あります。まずは幹事長ポスト。次に維新の閣僚。そして昨年の総裁選候補らの扱いです」
鈴木俊一幹事長を続投させるかどうかだが、キングメーカーたる麻生太郎副総裁の義弟にあたる。
「麻生氏は高市政権を誕生させた最大の功労者だけに、その恩恵として義弟を幹事長に据え、高市政権をコントロールする狙いがありました。高市首相にすれば、麻生氏の恩に報いた形ですが、いつまでも麻生氏に牛耳られることには不満を持っている。麻生氏は元財務相であり、財政規律派の守護神です。一方の高市首相は財政規律よりも、アベノミクスを継承するサナエノミクスの提唱者。借金も辞さない積極投資で経済を活性化し、それで財政を安定化させる手法です」
高市政権は「奥の院」から、茶々を入れられたくないため「積極投資」に同調する幹事長に代えたい。そもそも今年早々の解散総選挙は、麻生氏や鈴木幹事長に相談もなく決めたという。
とはいえ麻生副総裁としては、総理の椅子に座った高市氏を簡単に逃がすわけにはいかない。もし鈴木氏を幹事長から外せば、来年の総裁選では高市おろしを仕掛けるハラで茂木敏充外相らと密談を重ねるとともに、高市氏を総理に押し上げる第二の原動力となった日本維新の会外しにも熱心だ。そして維新の代わりに国民民主党との連立を模索し、玉木雄一郎代表らと謀議を重ねる。では、高市首相の意中の幹事長候補とは誰か。
前出の政治部記者が指摘する。
「安倍元首相の右腕と言われながら『裏金問題』などで一時、窮地に追い込まれた萩生田光一幹事長代行だとされています。高市氏が範とする安倍政権をよく知り、かつ積極投資派、イケイケ派で高市首相とウマが合う」
中傷動画騒動にいっさい触れない小泉進次郎を評価
改造の第二ポイントは、維新議員の入閣構想だ。
「公明党の突然の離脱で総理の椅子が危機的になった時、救いの手を差し伸べた維新への恩義を、高市首相は忘れていません。今国会で『副首都関連法案』を成立させ、次の組閣では藤田文武共同代表を国交相にして副首都構想に弾みをつけたいと考えています」(自民党幹部)
そして第三ポイントは、先の総裁選で争った総裁候補らをどうするか。政治アナリストが展望を語る。
「決戦投票で争った小泉進次郎防衛相は、引き続き防衛相として起用したい思惑です。高市中傷動画騒動にいっさい触れない小泉氏の振る舞いを、高市氏は評価している。小泉氏を懐柔したい意図もあるようです」
では林芳正総務相はどうか。
「前回の総裁選で3位の林氏は、来年の総裁選には勝てると意気込んでいます。そのため旧岸田派に加え、旧二階派をまとめる武田良太元総務相に急接近。高市首相はそんな林氏を危険視し、内閣改造では閣僚外しに出る構えだと言います。次の総裁選に意欲を持つ茂木外相も外したいところですが、その外交手腕は余人をもって代えがたいとして、続投させるようです。そして小林鷹之政調会長は、側近の有村治子総務会長と交代でしょう」(前出・政治アナリスト)
高市政権をさらに盤石なものにできるかどうか。ひと波乱あるような気がしてならないが…。
(田村建光)

