比嘉愛未主演の日本テレビ系水曜ドラマ『ファーストクライ 母子救命救急班』(毎週水曜午後10時)の第2話が7月15日に放送され、ドラマレビューで知られる「テレビ視聴しつ」室長・大石庸平氏が作品の魅力を語った。
本作は、富裕層向けの“セレブ病院”に秘密裏に設立された「母子救命救急班」を舞台に、行き場を失った妊婦たちと新たな命を救うために奔走する医療ドラマである。
大石氏は、第2話について「社会性とエンターテインメントのバランスの巧みさが際立っていた」と評価。主人公・光井(比嘉愛未)の信条である「本音に、する」を軸に、外国人技能実習生の妊娠、不妊治療と卵子提供を巡る夫婦の葛藤、永坂(松島聡)が抱える高校時代の後悔、そして作品全体を貫く「富の分配」というテーマを、一つの物語として丁寧に描き上げていたと分析した。
残酷なまでの“平等”を描いていた‥

第2話では、卵子提供を受けてでも子どもを望む夫婦と、経済的に困窮しながらも命を宿した外国人技能実習生という、対照的な2つの妊娠が描かれた。大石氏は「お金があっても子どもを授かれない人がいる一方、お金はなくても新たな命は宿る。その残酷なまでの“平等”を描いていた」としながらも、本作は単純な対立構造を提示する作品ではないと指摘する。
作品が描いているのは、何が正しいかを裁くことではなく、それぞれが悩み、迷い、自分自身の本音と向き合いながら答えを見つけていく過程そのものだという。「唯一の正解はなく、それでも人は悩み抜いた末に、自分自身の“本音”を選び取っていく。その過程そのものを肯定している作品なのだ」と評している。
特に印象的だった場面として挙げたのが、卵子提供を検討していた夫婦のエピソードだ。経済的な余裕があるからこそ選択肢は増えたものの、「子どもを持つこと」と「夫婦二人で幸せに生きること」の間で本音を見失っていた2人が、最終的には夫婦として歩む未来を選択。その決断を「諦めではなく、本音を見つめ直した末にたどり着いた答え」と受け止めている。
また、外国人技能実習生の妊娠や永坂の過去、セレブ病院が富裕層から得た利益で救命活動を支えるという設定など、多様な価値観が交錯するテーマを扱いながらも、作品は善悪を断じるのではなく、それぞれの生き方や選択を尊重する姿勢を貫いていると評価した。
さらに大石氏は、脚本を担当する浜田秀哉氏の手腕にも言及。自身が好きな作品として医療ドラマ『ラストホープ』を挙げ、「専門用語が飛び交うカンファレンスを、ウィットに富んだ会話劇へと昇華させていた」と振り返る。
その魅力は『ファーストクライ』にも受け継がれているといい、病院全体が参加する大規模なカンファレンスのシーンでは、多くの登場人物が自然に会話へ加わり、それぞれの立場や個性を鮮やかに描き分けている点を高く評価。「これほど人数の多い会話劇を破綻なく成立させ、ドラマのテーマとも密接に結び付けながらカンファレンスとして成立させる筆力は並ではない」と、その構成力を絶賛した。
『ファーストクライ 母子救命救急班』第3話は、7月22日午後10時から放送される。

