
山本彩が7月14日に東京・日本武道館でワンマンライブ「山本彩 LIVE at 武道館」を開催。2016年にリリースした1stアルバム『Rainbow』から10年。自身の33歳の誕生日に行われた初の日本武道館公演は、ソロ活動10周年の集大成、そしてこの先のさらなる飛躍を予感させるステージとなった。
■33歳の誕生日当日に初の日本武道館公演を開催
開演時間となり、客席の照明が消えると、日本武道館ライブに向けたリハーサル風景がスクリーンに。武道館ライブを発表した瞬間や、スタッフとの打ち合わせの様子などがモノクロの映像で映し出され、記念すべきステージへの期待が高まっていく。
ギターを手に山本が武道館に向かう場面で映像がカラーになり、オープニングムービーは終了。舞台に目をやると、ステージ上段にはギターを持った山本の姿が。すさまじい歓声が響き渡る中、ライブは「Bring it on」で幕を開けた。
レスポールをかき鳴らし、「全員、飛ばしていくぞ!」というシャウトと共に始まったこの曲は〈不可能なんてない/ここはそう私の独壇場〉というフレーズが印象的なロックナンバー。ダイナミックなバンドサウンド、凛とした強さを感じさせるボーカル、ステージから立ち上る炎が一つになり、最高のスタートを切った。
さらに「木天蓼」「TRUE BLUE」とアッパーチューンを連発。観客はこぶしを突き上げ、声を張り上げて応えていく。そこから伝わってきたのは、10年という時間の中で築き上げたオーディエンスとの絆。力強さと繊細さを併せ持った山本のボーカルを支えるバンドメンバーの演奏も素晴らしい。
鳴り響く拍手と歓声を浴びながら会場を見渡し、山本は「みんな、元気すぎる!」と満面の笑み。そして「想像を遥かに超えるみんなの声がめちゃくちゃ届いています! 私、今日のライブでどうなってもいいと思ってるんですけど、みんなは大丈夫ですか? 全員で騒いで、全員でシンガロングして、最高の1日にしましょう!」と呼びかけた。

■これまでのキャリアを振り返る貴重でエモい映像も上映
気持ちの入ったMCの後は「KIRAKUモンスター」。山本はセルフィ―で自分と客席を映しながらステージの端から端まで動き、観客とコミュニケーションを取る。最後はセンターステージに移動し、心地いい一体感を演出。〈M・Y・P・A・C・E〉〈マイペース!〉のコール&レスポンスも楽しい。
ここで披露されたのは新曲「ラスベリーサマー」。夏のときめきと甘酸っぱい恋をテーマにしたポップチューンが広がり、オーディエンスはタオルを回して盛り上がった。続く「刹夏」では過ぎていく夏への思いを歌い上げ、会場全体は叙情的な雰囲気に包み込まれた。
「unreachable」からはダンスを交えたステージへ。モノトーンの衣装に着替えた山本はダンサーとともに大人な雰囲気のボーカルと振り付けを披露していく。「feel the night」では特徴的なアイウェアを付け、都会の夜景をモチーフにした映像をバックにどこか官能的なイメージを表現。エキゾチックな雰囲気の「Nocturnal」を含め、エンターテイナーとしての資質をたっぷりと堪能できた。
ここで時計の針の音とともにスクリーンに映されたのは、これまでのキャリアを振り返る映像だった。中学生の時に組んだバンド時代、NMB48オープニングメンバーのオーディション、グループ在籍時のライブシーン、1stアルバム『Rainbow』のリリース、NMB48からの卒業、自らの手で髪を切り、ソロライブツアー「I‘m ready」へ挑んだ時期、フェスへの出演…。
山本彩の軌跡を追体験できるムービーに導かれたのは、「365日の紙飛行機」。AKB48のセンターとして歌唱した記念碑的な楽曲を美しく描き出し、武道館全体が大きな感動で包まれていく。
続いては「イチリンソウ」。NMB48卒業後、ソロ活動を本格的に開始した最初のシングルをしっかりと丁寧に紡ぎ出す。シンガーソングライターとしての原点とも言える楽曲を真っ直ぐに届けるシーンは、この日最初のハイライトとなった。
新曲「バタフライエフェクト」も心に残った。バタフライエフェクトとは“わずか出来事や選択が予想を超えた変化や結果をもたらす現象”という意味。この曲に込められたものは間違いなく、小さなこと、些細なことを積み重ねながら武道館へたどり着いた彼女の道のりと重なった。


■山本彩「ありがとうございます! 33歳になりました」
「誕生日おめでとう!」という観客の声に応え、「ありがとうございます! 33歳になりました」と感謝を伝える山本。武道館公演が決まったときのことを振り返り、「誕生日に武道館って盛り込みすぎだろう! と思ったりしたけど(笑)、今は本当に良かったなと思っています」と語ると、会場から温かい拍手が送られた。
「夢の声」「ブルースター」はアコースティック・アレンジで披露。そして「曲を作ってるときは“誰かのためになるといいな”と思ってるんですけど、時間がたつにつれて、“自分が言ってほしかった言葉だったのかも”と思うことがあります」という言葉とともに歌われたのは「サードマン」。〈ずっと そうずっと/君は君でいて 変わらなくていいから〉というアカペラから始まり、一つ一つのフレーズを手渡すように歌う姿からは、シンガーとしての誠実さを強く感じた。
スポーティーな衣装に着替え、「まだまだイケますか!?」という煽りから始まった「JOKER」でライブは後半へ。アコギをかき鳴らした「喝采」では、炎とレーザーによる演出が施され、〈愛したい 愛せない〉というラインを突き刺した「劣等感」で会場のテンションは一気に最高潮に達した。
観客がタオルをぶん回した「Let’s go crazy」で興奮度をさらに引き上げ、ラストの「Are you ready?」へ。「みんなありがとう! 最高以外、言いようがないです。本当にありがとうございました!」というシャウトで、本編はエンディングを迎えた。

■全22曲を歌唱「これからも、共に泣いて、共に笑って、共に生きていきましょう」
鳴り止まない歓声を受け、山本とバンドメンバーが再びステージに登場。「アンコールありがとうございます! すごいね。みんな声がめちゃくちゃ入ってきて……」と話し始めた瞬間、バンドメンバーが「Happy Birthday to You」を演奏し“お誕生日おめでとう”モードへ。
メンバー、スタッフからケーキ、33本のレインボーローズ(虹色のバラ)、寄せ書きがプレゼントされ、「ありがとうございます。あまりにも幸せだと言葉にならないんですね」と涙ぐむ。ここで山本は、ゆっくりと観客に語り掛けた。武道館が決まってからの1年間、不安と喜びが入り混じった日々を過ごしてきたこと。それを乗り越えてステージに立てていることに喜びを感じていることを。
「10年前は孤独と淋しさを感じてたんですけど、10年経って思います。一人じゃないなって。バンドメンバーという仲間ができて、未来を話し合えるスタッフさんがいて、ライブに駆けつけて、愛や熱意を向けてくれるみんながいて。これからも一生、心の支えでいてほしいなと思います。もちろん、私もみんなにとってそういう存在でありたいなと思います」
「これからも、共に泣いて、共に笑って、共に生きていきましょう」という言葉に導かれたアンコール1曲目は「共鳴」。最後のサビでは観客のシンガロングが響き渡り、ステージと客席の距離がさらに近くなっていく。
ラストは、1stアルバム『Rainbow』に収録された「レインボーローズ」。“無限の可能性”を高らかに歌い上げたこの曲は、10年たった現在も山本の指針であり、この先の未来を鮮やかに照らし出している。
ライブ終了後、今秋にリリースされるニューアルバム、2027年1月にスタートする全国ツアー「SAYAKA YAMAMOTO LIVE TOUR "NARRATIVE"」の開催を発表。そして最後に映し出されたのは「今日までついて来てくれたあなた、ありがとう。山本彩の旅はまだまだ続きます。これからもよろしくね。」という手書きのメッセージだった。


■「山本彩 LIVE at 武道館」
◇7月14日(火)夜6:30開演◇東京・日本武道館
<セットリスト>
M01. Bring it on
M02. 木天蓼
M03. TRUE BLUE
M04. KIRAKUモンスター
M05. ラズベリーサマー
M06. 刹夏
M07. Unreachable
M08. Feel the night
M09. Nocturnal
M10. 365日の紙飛行機
M11. イチリンソウ
M12. バタフライエフェクト
M13. 夢の声
M14. ブルースター
M15. サードマン
M16. JOKER
M17. 喝采
M18. 劣等感
M19. Let’s go crazy
M20. Are you ready?
~アンコール~
EN1. 共鳴
EN2. レインボーローズ

