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「新種のサル」をコンゴの熱帯雨林で発見

「新種のサル」をコンゴの熱帯雨林で発見

新種のサル/ Credit: Daniel Rosengren / Hart JA et al. (2026), PLOS ONE, CC BY 4.0

アフリカ中央部に広がるコンゴ盆地の熱帯雨林から、これまで科学的に記載されていなかった新種のサルが見つかりました。

新種の学名は「コロブス・コンゴエンシス(Colobus congoensis)」で、現地の一部住民が使ってきた呼び名から「リクウェリ(Likweli)」という一般名が推奨されています。

研究の詳細は、米イェール大学(Yale University)らにより、2026年7月15日付で科学誌『PLOS ONE』に掲載されました。

目次

  • 10年かけて姿を追った「新種のサル」
  • 新種と判明したが、すでに存続の危機に?

10年かけて姿を追った「新種のサル」

リクウェリが最初に写真に収められたのは2008年のことでした。

現在のコンゴにあるロマミ国立公園にあたる森で、研究者が樹冠にいる黒いサルを撮影しましたが、姿は部分的にしか写っておらず、新種だと判断できる材料はありませんでした。

転機となったのは2018年です。

監視パトロール中の調査員が、口の周囲に淡い色の模様があり、尾の付け根の下に白い斑点を持つ黒いサルを撮影しました。

新種のサル/ Credit: Daniel Rosengren / Hart JA et al. (2026), PLOS ONE, CC BY 4.0

その後、現地の調査員たちは道のない森林を歩き回り、2018~2022年に約1700平方キロメートルの範囲で114件の観察記録を集めました。

なお、これは114頭の個体を確認したという意味ではありません。

同じ群れを複数回観察した可能性を含む「114件の検出記録」です。

リクウェリは平均約6頭の小さな群れで、密生した森林の高い樹冠部を移動していました。

そのため発見も撮影も難しく、生息域周辺の52村で聞き取りをしても、姿を知り、正確に説明できたのは8村だけでした。

バランガの人々はこのサルを「リクウェリ」、東側のミトゥクの人々は「枝を揺らす者」を意味する「カサバ・ンコニ」と呼んでいました。

現地でまったく知られていなかったわけではありませんが、地域住民にさえほとんど目撃されない、非常に人目につきにくい存在だったのです。

新種と判明したが、すでに存続の危機に?

チームは、珍しい見た目だけで新種と判断したわけではありません。

2021年に狩猟者から押収された成体3頭の標本を調べ、毛皮や体格に加えて、頭蓋骨と歯を既知のコロブス類と比較しました。

リクウェリは小柄で、全身の大部分が光沢のある黒い毛に覆われています。

一方、口と鼻の周囲には鮮やかなオレンジクリーム色の模様があり、尾の下には白い斑点があります。

頭蓋骨や歯にも、近縁種とは異なる特徴の組み合わせが確認されました。

【新種サルを捉えた映像がこちら】

さらにミトコンドリアDNAを解析したところ、最も近縁なのはアフリカ中西部に生息するクロコロブス(Colobus satanas)でした。

しかし、両種の生息域は1200キロメートル以上離れており、共通祖先から約400万~500万年前に分岐したと推定されています。

低く響くほえ声にも、声の並び方や周波数などに独自の特徴がありました。

つまり、外見、骨格、遺伝子、鳴き声という複数の証拠が、リクウェリを独立した新種として支持したのです。

ところが、発見されたばかりのリクウェリは、すでに種の存続の危機に直面している可能性があります。

確認された生息域は狭く、狩猟圧の増加や森林の農地化も懸念されています。

チームは、IUCNレッドリストで「絶滅危惧」に相当すると暫定評価しました。

ただし、これは現時点で研究者が提案した分類であり、IUCNがすでに正式指定したという意味ではありません。

科学にとって新しい動物でも、その土地では長く森の一員として生き続けてきました。

リクウェリの発見は、コンゴ盆地に未知の生物多様性が残されていることを示すと同時に、名前を与えられたばかりの種を失わないため、発見と保全を同時に進める必要性を伝えています。

参考文献

An Entirely New Monkey Species Has Been Hiding in The Congo Rainforest
https://www.sciencealert.com/an-entirely-new-species-of-monkey-has-been-living-in-the-congo-rainforest-this-whole-time

Meet ‘Likweli’: A new monkey species discovered in the Congo Basin
https://news.yale.edu/2026/07/15/meet-likweli-new-monkey-species-discovered-congo-basin

元論文

Likweli: A remarkable new species of Colobus monkey from the Lomami National Park, Democratic Republic of Congo
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0349857

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部

配信元: ナゾロジー

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