今年リニューアルした宮崎県の「ひなたTENNIS PARK MIYAZAKI」で、女子テニスの国際大会「第1回ひなたオープンin宮崎」を2週連続で開催しました。グレードはITFツアーW35。今、日本の女子テニス界ではW15は増えてきましたが、W35が少なかったため、世界ランク200~300位台の停滞を打破する加速装置となるべく、W35のグレードにしました。
2週間にしたのは、若手選手には機会と時間が必要だからです。単発の大会では結果を出すのが難しいため、1週目で負けた後も練習を続けて2週目に臨めるようにしました。この施設なら、試合をしながらしっかり練習できます。
今回のリニューアルでこだわったスローハードの効果は、予想以上でした。女子選手がダブルスでスマッシュを打っても拾われるほど遅いのです。頭を使って戦わなければ勝てません。これがいいんです。テニスもタフ、頭もタフ、心もタフ。全てがタフでなければ勝てない環境です。ここで練習する選手が強くなっていくのが想像できました。試合時間が3時間に及ぶケースが続出し、運営サイドは想像以上に長くなることで大変でした。
うれしい成果もありました。木下晴結選手が1週目で優勝し、その後も調子を上げてウインブルドン予選に入れたのです。彼女は「リポビタン Presents 伊達公子×YONEX PROJECT ~Go for the GRAND SLAM~」2期生の卒業生で初のグランドスラム一般大会出場選手です。加速する大会という位置づけが、機能することを証明してくれました。
今大会では地域との共創にこだわっています。地元の人材を積極的に登用しました。MCは地元大宮高校の放送部、ボールパーソンは強豪高校である宮崎商業のテニス部、通訳も経験はなくとも英語のできる高校生に依頼しました。審判は人数が少なく、課題はあります。でも「共に成長する」というスタンスで、いずれは宮崎県の審判だけで大会を運営できるようにしたいと話をしています。
地域に密着した大会にしていきたいので、もっと地元の人に見に来てほしいと思います。空港にのぼりを立てていただきましたが、「この時期は女子の国際大会がある」ということが定着し、継続しやすい大会にしていきたいです。
実は、数年後にW75への格上げを目指しています。現在、W75のグレードの大会は日本にはありません。中国やチェコの成功例を見ると、W75があることで100位以内に入る選手が育っています。W35を成長させ、将来はW75に。これが次なる私の目指す道です。もし実現できることになれば、その頃には、宮崎の関係者全員が成長して、完璧な大会運営ができるようになるはずです。
「ひなたオープンin宮崎」に来た多くの人が、色々な面を称賛してくれました。スローハードコートについても、「これは育成に最適だ」と評価してもらえたことは良かったです。
会場は車で空港から10分、市内から20分という恵まれた立地で、コンパクトで使いやすい施設です。世界基準のスペース、最適な照度、そして、頭を使わなければ勝てないスローなサーフェス。
4年間、頻繁に宮崎県に通って改修に至った、我が子のような施設で、初めての大会を開催できて感無量です。現時点の最高の出来栄えだったと自負しています。宮崎から、日本のテニスを変えていく第一歩を踏み出せたと感じています。
文●伊達公子
【画像】「リポビタン Presents 伊達公子×YONEX PROJECT ~Go for the GRAND SLAM~」の4期生の第2回キャンプの様子
【関連記事】伊達公子さんプロデュースの国際大会「ひなたオープンin宮崎」開催。19歳の木下晴結が初代女王に!
【関連記事】伊達公子さんプロデュースの「ひなたオープンin宮崎」。WEEK2はチャンが雪辱V! 永田杏里/佐藤南帆は2週連続優勝

