●国産生糸に新たな市場を
同プロジェクトは、「秩父シルク一元化構想」の第一歩として、将来的に養蚕を起点とした埼玉県内のシルクサプライチェーンの再構築を目指す取り組みであり、リズムが草木染め(糸染め)の技術確立と、就労支援を活用した循環型ものづくりを推進する一方、ISILKは国産生糸を横編み市場へ展開するための独自技術「SilKnit(シルニット)」の開発と、「秩父シルク一元化構想」の実現を目指す。
現在、国内の絹需要に占める国産生糸のシェアは、1990年には33.8%だったものの、2024年には0.13%まで低下している(一般財団法人 大日本蚕糸会調べ)。
ニット製品に使用されるシルク糸の多くは、短繊維を紡績した絹紡糸が主流となっており、日本国内で製糸された生糸(長繊維)はおもに織物用途で利用され、横編みニットなどへの活用は限られる。そのため、高品質な国産生糸でも新たな用途の拡大が進まず、市場の広がりが課題となっている。
ISILKの独自技術である「SilKnit」は、国産生糸を横編みに適したシルク糸へと進化させることで、生糸(長繊維)本来の美しさや風合いを活かしつつ、横編みに適したシルク糸として新たな市場を創出する。
今回のプロジェクトにおいては、ISILKが「SilKnit」によるストール、靴下、レッグウォーマー、Tシャツといった製品の開発・販売を進める。あわせて、販売後の製品を回収して、再染色・再利用・再製品化までを見据えた循環型システムの構築に取り組む。
リズムは、シルク糸染め・製品染めの技術確立、品質基準の整備、再染色技術の開発を行う。さらに、糸染めに適した埼玉県内で発生する植物由来資源を活用した天然染料の開発も進めることによって、循環型ものづくりを支える技術基盤を構築する。
ISILK、リズムの両社は、素材開発・染色・製品開発・販売・回収・再利用までを1つの循環として設計することで、地域資源を活かした持続可能なシルク産業モデルの実現を目指す。
ISILKの掲げる「秩父シルク一元化構想」は、桑畑から製品までを地域でつなぐシルク産業の再構築を目指すプロジェクト。桑を育てる~蚕を育てる~繭をつくる~製糸する~「SilKnit」で横編み用シルク糸へ展開~草木染め~製品化という、それぞれの工程を地域内でつなぐことによって、新たなシルク産業モデルを埼玉県から発信していく。

