落ち着いて行動するための事前確認
ここのところ日本各地で大きな地震が起きている。先月も何度か緊急地震警報が鳴り響くような地震が起きたけど、電車に乗っているときとかだと、みんなのスマホが一斉に鳴り出すのでパニックが起こりそうになるという話を聞いた。
電車の場合、地震が起きたらとりあえずその場に緊急停止する。揺れが収まったら最寄りの駅まで徐行して、着いたら乗客が避難するというのが一般的な避難の流れだと思う。エレベーターに乗っているときと同じような感じだよね。
ただ、電車はその場で下車する場合もあるから、そういったときの対処法や避難ルートを頭に入れておいた方がいいね。地下鉄だとトンネル内に下車して、それから地上に脱出しなくちゃいけないこともある。
どんな場合でも事前にシミュレーションしておけば、落ち着いて対処できる。通勤や通学で、いつも使っている路線なら、時間のあるときにでも避難方法やルートを確認しておいた方がいい。
最近、都内の主要駅では大規模な再開発を進めているところが多いけど、この機会に商業施設ばかりではなく、大規模な避難施設もしっかり作ってほしいよね。駅の構造が変わったら避難ルートも変わるし、避難場所も変わるから、利用者側も情報を更新するという意識を持っておくべきだね。
【蝶野正洋の黒の履歴書】アーカイブ
大人に足りない防災教育
河川氾濫、大雨、土砂災害、高潮に関しては、新たな防災気象情報の運用が始まっている。それぞれ5段階の警戒レベルが策定され、避難の判断をしやすくするというのが目的だ。
例えば、大雨注意報は「レベル2大雨注意報」、大雨警報は「レベル3大雨警報」と数字がつくので、危険度が伝わりやすい。ちなみにレベル3で高齢者、レベル4からは全員避難することが推奨されている。
このような防災情報の改訂は、何年かごとに行われている。交通ルールと一緒で、時代や環境に合わせてアップデートされていくんだよ。
子供たちは学校で定期的に避難訓練を行っているから、そのあたりの最新情報やレクチャーをちゃんと受けている。問題は大人たちだよ。定期的に防災セミナーを行っている会社なんてほとんどないから、結局は情報がまちまちで、防災意識にも差ができてしまう。特に、実話世代のおじさんたちには届いてないよね。
俺もショッピングモールなどで防災のイベントをやるんだけど、来てくれるのはやっぱり女性が多い。俺が「防災というのは自助、共助、公助という段階があって、中でも自助が大切なんだよ」という話をしたら、聞いてた女性が「はい、私は次女なので大丈夫です」と答えて、しばらく話が噛み合わなかったことはあったけどね。
交通ルールは免許更新のときに講習があって、そこで最新情報を教わるようなシステムができている。防災情報も同じような講習会があればいいんだけどね。いっそのこと、免許更新時の講習に30分くらい防災講習をくっつけてもいいかもしれない。公共の安全という意味では、通じるものがあるからね。
あとは、マイナンバーカードの更新のときとかでもいいかもしれない。
防災グッズをそろえるのも大事だけど、最新の情報を得る、いざというときにどう動くか、ということを知っておくというのも必要な“備え”なんだよ。
「週刊実話」7月23日号より
蝶野正洋(ちょうの・まさひろ)
1963年シアトル生まれ。84年に新日本プロレス入団。「nWo JAPAN」を率いるなど“黒のカリスマ”として活躍し、2010年に退団。現在はプロレス関係の他に、テレビやイベントに出演するタレント活動、「救急救命」「地域防災」などの啓発活動にも力を入れる。
