
ベスト4敗退のイングランドは本当に優勝候補だったのか。英国人記者が指摘「トゥヘルの判断が裏目に出た」「サウスゲイトと結末は同じ」
北中米ワールドカップの準決勝で、イングランド代表は前回王者のアルゼンチン代表と対戦。1-2の逆転負けを喫して、無念の敗退となった。
試合後、ロンドンの飲食店に入ると、人々はイングランド代表の話題で持ち切りだった。アルゼンチン戦での不甲斐ない戦いぶりについて、あちこちで議論が交わされていた。
これまでの両国の歴史を考えると、アルゼンチンはイングランドにとって最も因縁の深いライバルだ。
しかしこの試合では最強のチームが我々を下した。それだけだ。試合内容を見れば、イングランドの守護神ジョーダン・ピックフォードがこれほど多くのビッグセーブを迫られた一方で、アルゼンチンGKエミリアーノ・マルティネスはセーブする機会がほとんどなかったという事実が、どちらが優位に立っていたかを物語っている。
トーマス・トゥヘル監督は、アンソニー・ゴードンのゴールで先制したあと、そのゴードンに代えてエズリ・コンサを投入。追加点を狙いにいかず、リードを守り切ろうとしたのだ。この判断が見事に裏目に出た。
アルゼンチンの選手たちは、イングランドの選手たちよりも勝利への執念を感じさせた。アルゼンチンの選手たちは国歌を力強く歌い上げ、その後も様々な心理戦を駆使して、常にイングランドの選手たちにプレッシャーをかけ続けた。
トゥヘルがイングランド代表の指揮官に就任した際の目標はただ一つ。これまでイングランドがあと少しのところで逃してきたW杯優勝を掴み取り、ガレス・サウスゲイト前監督を上回る結果を残すこと。しかし結末は同じだった。
ファンの多くは、今回がイングランドにとってW杯優勝の大きなチャンスだと言っていたが、私はそうは思わなかった。欧州予選や本大会を通じて、彼らは強豪と対戦していない。
予選ではアルバニア、セルビア、ラトビア、アンドラと同じグループを突破。本大会のグループステージではパナマ、ガーナ、クロアチアと対戦し、決勝トーナメントではDRコンゴ、メキシコ、ノルウェーに勝利して準決勝に勝ち上がった。
直近の18か月間において、イングランド対戦した中で最も手強い相手は3月に親善試合で戦った日本代表だ。日本の皆さんがご存じの通り、その試合には0-1で敗れている。
仮にアルゼンチンを下していても決勝ではスペインが待ち構えており、勝つのは決して簡単ではなかっただろう。
次のW杯まで、また4年待たなければならない。1966年以来優勝していないこのチームへの期待は、再び高まるのだろうか。
文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)
著者プロフィール
スティーブ・マッケンジー/1968年6月7日、ロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでプレー経験がある。とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からのサポーター。スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝した。現在はエディターとして幅広く活動。05年には『サッカーダイジェスト』の英語版を英国で出版した。
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