男女を通じて史上最多タイの四大大会シングルス24勝を誇る男子テニス元世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア/現7位)が、アメリカの情報番組『CBS Mornings』に出演。8月20日より世界240以上の国と地域にて『Prime Video』で独占配信される自身のドキュメンタリー番組『Novak Djokovic : The Wolf in Winter』にちなみ、39歳となった現在の心境や競技人生、家族への思いを語った。
同作では、世界のトップで戦い続けるジョコビッチの素顔や葛藤に迫っており、自身は「最高のパフォーマンスを発揮するには、テニスのためにあらゆる犠牲を払わなければならず、それには代償が伴う」とコメント。劇中で語られる「何度も自分自身を牢獄に閉じ込めているような気持ちになる」という印象的な言葉についても、その背景を明かした。
ジョコビッチはプロスキー選手の家系に生まれながら4歳でテニスを始め、「家族の誰もラケットを握ったことがなかった。セルビアにはテニス文化がなかったが、このスポーツに恋をし、父にラケットを買ってほしいと頼んだ」と回想。
その上で紛争や経済危機に見舞われた幼少期を振り返り、「最もお金のかかるスポーツを選んでしまったが、両親はできる限り支えてくれた」と感謝を述べ、「いつか両親と弟たちに恩返しをし、最高の人生を送ってもらうと誓った」と続けた。
39歳でツアーを戦い続ける現状については、「自分が年齢を意識しなくても周囲が思い出させてくれるし、それがなくても身体が思い出させてくれる」と冗談交じりに語りつつ、「それが20年以上にわたりトップレベルで戦ってきた代償だ」と受け止めている。
その一例として彼が挙げたのが先の四大大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/芝コート)だ。5時間15分の死闘となったフェリックス・オジェ-アリアシム(カナダ/現4位)との準々決勝を制して6年連続15度目のベスト4進出を果たしたものの、続くヤニック・シナー(イタリア/同1位)との準決勝ではストレート負け。
「準決勝までに完全に回復できず、望んでいたほどフレッシュな状態ではなかった」と振り返りながらも、「彼が勝利にふさわしいプレーをした」とシナーへの敬意を表した。
そんな39歳の視線はすでに、来月開幕する今季最後の四大大会「全米オープン」(8月30日~9月13日/アメリカ・ニューヨーク/ハードコート)に向けられている。「最大のライバルは常に自分自身」と意欲を示し、「最もエキサイティングな四大大会。最大のスタジアムでプレーできるのが待ち遠しい。今も戦い続ける大きな理由の一つはファンからのエネルギーだ」と口にした。
さらに、「もちろん今でも証明したいことはある。何より自分自身に、そして周りにも証明したい。昨日の自分よりも、常に良い自分でありたい」と、衰えぬ向上心をのぞかせた。
文●中村光佑
【画像】ジョコビッチをはじめ、ウインブルドン2026で躍動した男子トップ選手たちの厳選フォト!
【関連記事】ジョコビッチがシナーにストレート負けでウインブルドン決勝進出ならず。「彼の方が1段階か2段階上だった」とプレーを称賛<SMASH>
【関連記事】38歳ジョコビッチの原動力の一つ“ロス五輪出場”。41歳で臨む大舞台に意欲も「本当にどうなるかはわからない」<SMASH>

