
「3年半前、この光景を想像できたか」39歳メッシが個人2冠へ。W杯連覇でマラドーナを超えるか【W杯】
3年半前、カタール・ワールドカップでリオネル・メッシの物語は完結した——そう思っていた。
クラブではあらゆるタイトルを手にし、個人としても数え切れないほどの栄誉を勝ち獲った。それでも、たったひとつだけ欠けていたワールドカップのトロフィー。黄金のカップを両手で掲げた瞬間、メッシはサッカー選手として、全てを手にしたように見えた。
だから私は、これが代表で戦うメッシの最後の姿になるのだろうと、勝手に決めつけていた。これ以上、彼はいったい何を求めるというのか。もう証明すべきものなど、何も残っていないはずだった。
ところが、物語には続きがあった。
39歳で迎えた北中米ワールドカップ。メッシは思い出作りのために、この大会へやって来たのではない。アルゼンチンを再び決勝へと導き、自らも得点王と大会MVPと個人2冠を狙える位置にいる。普通なら、次の世代へと主役の座を譲っていても不思議ではない年齢だ。それでも彼は、世界最大の舞台の中心に立ち続けている。
年齢は衰えを示す数字ではなく、伝説を積み重ねる数字になった。
3年半前、この光景を想像できた人が、どれほどいただろう。
決勝の相手はスペイン。メッシを育てた国の代表であり、19歳のラミネ・ヤマルを擁する新時代の象徴でもある。39歳の伝説と19歳の天才。ひとつの時代の終わりと、新しい時代の始まりが、ワールドカップ決勝という最高の舞台で交差する。
勝てば、アルゼンチンは1962年のブラジル以来となる大会連覇を成し遂げる。かつてディエゴ・マラドーナも、1986年大会を制し、続く90年大会で決勝まで進んだ。しかし、最後の一歩には届かなかった。
メッシは、その壁さえ越えてしまうのか。
カタールで伝説を完成させた男が、北中米でさらにその先へ進もうとしている。もし連覇を成し遂げたなら、もう「史上最高」という言葉だけでは足りない。
そのときメッシは、本物の神になる。
文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)
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