
「なぜスペインがアルゼンチンに勝つことを望むのか」ラテンアメリカで広がる“根深い問題”をブラジル人記者が分析「亀裂が広がり始めている」【W杯】
現地7月19日にニューヨーク・ニュージャージー・スタジアムで開催される北中米ワールドカップ決勝では、スペイン代表とアルゼンチン代表が対戦する。
この大一番を前に、イギリスの有力紙『The Guardian』でブラジル人記者のティアゴ・ロジェロ氏は、「なぜ多くのラテンアメリカ人はワールドカップ決勝でスペインがアルゼンチンに勝つことを望むのか」と題した記事を掲載。その背景を掘り下げている。
記事では、ブラジル人ジャーナリストのジュリア・ドゥアイリビ氏の「私はずっとエルマノス(アルゼンチン人)のファンで、同じ南米のチームを応援したかった。しかし、一部のファンによる人種差別的な場面と、ピッチ上の大多数の沈黙には、正直言って吐き気がした」という言葉を紹介した。
続けて、「ラテンアメリカ各国で、これまでのように『南米だから応援する』という空気が薄れつつあり、一部アルゼンチンサポーターによる人種差別が、その流れを加速させている」と伝え、多くのラテンアメリカ人が決勝ではスペインを支持すると表明している理由のひとつに、一部アルゼンチンサポーターによる人種差別問題があるとした。
さらに、「以前はヨーロッパのチームよりラテンアメリカのチームを応援する傾向が強かったが、近年は大きく変わった」と説明。「ラテンアメリカのサッカーファンの間には、アルゼンチンをめぐる亀裂が広がり始めている」とし、その背景にはアルゼンチン代表の近年の成功や、クラブレベルでのライバル関係の激化、さらにはSNSによるヘイトスピーチや外国人嫌悪の拡散があるとの見解を示した。
一方で、記事は「ラテンアメリカ全体がスペインを応援しているわけではない」とも指摘。ブラジル人歴史学者の、「もし問題が人種差別だとしたら、スペインを支持することもできないだろう」と主張を引用し、植民地時代の歴史や、レアル・マドリー所属のブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオールがスペインで繰り返し受けた人種差別被害にも言及。「人種差別という観点だけでスペインを支持することにも矛盾があるとの見方もある」としている。
決勝を前に、ラテンアメリカ地域では複雑な感情が交錯しているようだ。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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