「ひきこもり」と聞けば、10〜20代というイメージが強いが、近年はひきこもりの長期化で中高年世代間にも波及しており、高齢の親がひきこもりの中高年の子供を支える「8050問題」が深刻化している。
全国推計146万人「氷山の一角にすぎない」
8050問題とは、80代の親世代が50代の子供の生活を支えていること。内閣府の調査(2023年)によると、15〜64歳のひきこもり状態にある人は、全国で推計146万人。男性が圧倒的に多いという。
また、'19年に内閣府が発表した調査によると、40〜64歳のひきこもりは推計約61万人。15〜39歳の約54万人('16年調査)を大幅に上回った。
「この数字は氷山の一角で、実際にはもっと多いとみられています。中高年のひきこもり期間は10年以上が多く、中には20年、30年もいる。面倒を見る親も高齢化するため、8050問題から9060問題に発展しています」(社会福祉士)
中高年のひきこもりが増加した大きな背景の一つには、1990年代後半から2000年代初頭の"就職氷河期"が挙げられる。
「正社員になれずアルバイトや派遣社員を転々とした若者が、社会とのつながりを失い長期のひきこもりに至る。その人たちは地域社会との接点が薄いまま、親子だけの閉じこもった生活を送るケースが多い」(同)
「もはや生き地獄」公的機関に助けを求めるしかない
中高年のひきこもり当事者の生活を支えているのは、年金や貯蓄で暮らす70〜80代の親世代。8050問題を抱えた親は、経済的にも精神的にも疲弊しきっているのが実状だ。
「ひきこもりが60代になれば、親は90代になる。親子共々、介護、認知症、生活困窮が同時進行する世帯も出てくる。もはや生き地獄です。脱出するには恥も外聞も捨て、公的機関に助けを求めるしかありません」(ソーシャルワーカー)
公的機関では厚生労働省を中心に「ひきこもり地域支援センター」の整備をはじめ、居場所作り、就労などの支援を行っている。
中高年のひきこもりだった40代後半のフリーライターは「きっかけがあれば部屋から出られる日は必ず来る」と吐露。そのきっかけは「周囲の思いやり」だと言う。
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