時たま誘ってもらうロックンロールな飲み会のメンバーに、ファットボーイに乗る大柄な男がいる。茶色い瞳をしていて他の誰とも違うオーラをまとう少し謎な男だ。彼のSNSを見ると頻繁に八ヶ岳など過酷そうな山々に登山しては、天国のような絶景を投稿しているのだ。一度話してみたくてツーリングに誘ってみた。三浦半島をちょこっと走るプチツーだ。

元田敬三|1995年、路上(street)にて話しかけて撮らせてもらうスタイルで撮影をスタート。いまだ変わらず、主にフィルムカメラで撮影中。近年、ハーレーに乗りながら路上(road)にて気になる人や風景を発見したら急停車! カメラは人と出会うためのパスポートなのだ
過去の点と現在の点がつながったような不思議な午後
葉山で待ち合わせて三浦にある「リバイバルカフェ」で休憩し、お話をうかがう。20代はロックンロール、30代はサーフィン、40代になり古代の文明や自然そのもの、アミニズムなどに興味をもち、山に登るようになったという。
命の危険と隣り合わせで雪山に登っていると「生かされていると感じ、自然に感謝する気持ちが芽生えた」という。ダイスケさんの話をうかがっていると、過去から現在へ時間が流れているのではなく現在も過去も同じひとつの点であり、点と点がつながる瞬間がそこにはあるそうだ。
また古代の文明の方が現在より遥かに進んでいたともいえるし、自国でいつ戦争が起こってもおかしくないような現在は、本当に進化した現在なのだろうか? とも思えてくる。
その後、三浦のキャベツ畑で撮影させてもらい、秋谷の立石海岸に着いた。ダイスケさんがいつも持ち歩いているのが「インディアンフルート」という、ターコイズで装飾されたネイティブアメリカンが吹く縦笛。彼はそれを海に向かって吹き始めた。
いつも見ている海が太古の昔の海の風景のようにも見え、過去の点と現在の点がつながったような不思議な午後となった。
バイクで走っていると、疲れていても目的地まで止まることはできないし、山に登っていて、どんなに過酷でも目的地までは立ち止まることができない。そこが似ているという。また「ハーレーは国産4発とは違い、出来が悪いんです。だから飽きない、なんて面白い乗り物なんだろうか!」と信号待ちで話してくれた。
ハーレーという乗り物は現代文明の結晶だが、考えようによっては古代文明により発明された神秘に包まれた乗り物のようにも見えなくもない。それは数十年と変わらぬ哲学があるからなのだろうか。ハーレーの歴史は進化というより点と点がつながっているようにも思える。


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(出典/「CLUB HARLEY 2026年6月号」)