昨季のNBAファイナルは、ニューヨーク・ニックスがサンアントニオ・スパーズを4勝1敗で下し、フランチャイズ史上3度目の優勝。ファイナルMVPにはシリーズ平均32.6点、4.2リバウンド、4.6アシスト、2.0スティールを奪ったジェイレン・ブランソンが選出された。
スポットライトを浴びたのはブランソンだったが、カール・アンソニー・タウンズの献身的な働きも、優勝に不可欠だった。213cm・112kgのビッグマンは、多彩なシューティングスキルに的確なアシスト能力、力強いドライブからのフィニッシュ能力を備え、ファイナルで平均13.0点、10.6リバウンド、2.4アシスト、1.4スティール、1.0ブロックを記録。
さらにマッチアップしたヴィクター・ウェンバンヤマ(224cm・107kg)に対して好守を披露。スパーズの若きエースは、シリーズ平均26.0点、11.2リバウンド、2.6アシスト、3.6ブロックをマークしたが、タウンズがマッチアップした時間帯は、フィールドゴール成功率39.0%(16/41)、3ポイント成功率20.0%(1/5)に、9ターンオーバーに終わった。
現地時間7月17日(日本時間18日)にニューヨークで開催されたイベント『Fanatics Fest』(ファナティクス・フェスト)で、タウンズはウェンバンヤマとのマッチアップを次のように振り返っていた。
「彼は世代を代表する才能の持ち主で、次世代のスーパースターだ。でも、僕もまた世代を代表する才能の持ち主だと心底信じている。それに僕の時代はまだ終わっていない。これまでの経験をすべて活かすための準備はできていたんだ」
これまでタウンズはオフェンスで高い評価を受ける一方、ディフェンスで注目されることは少なかったが、ファイナルの舞台では厳しいマークでウェンバンヤマに自由を与えなかった。
「とにかくコートへ出て、チームが勝つために必要なことを何でもやるつもりだった。ダンクや3ポイントが決まらなくても、僕はディフェンスの強度とかで試合にインパクトを与えていたし、特に試合序盤でチームに必要な勢いをもたらすことができたと思う」
昨プレーオフで、ウェンバンヤマはドノバン・クリンガン(ポートランド・トレイルブレイザーズ)やルディ・ゴベア(ミネソタ・ティンバーウルブズ)、チェット・ホルムグレンやアイザイア・ハーテンスタイン(オクラホマシティ・サンダー)とマッチアップしたが、いずれもタウンズほど多彩なオフェンススキルを備えた選手ではなかった。
リーグ史上最高級のシューティングビッグマンとも評されるタウンズは、まだ30歳。マイク・ブラウンHC(ヘッドコーチ)のシステムへ順応し、チームに溶け込んだことに加え、リーグの頂点に立ったことで、来季はさらに円熟味を増したプレーを見せてくれるに違いない。
文●秋山裕之(フリーライター)
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