国民民主党の玉木雄一郎代表は財務省出身のエリートらしく、時にドヤ顔で与党を批判するが、まさかの旧民主党時代から永田町を賑わせてきた伝統芸「ブーメラン」が炸裂することになった。
玉木氏は7月21日の記者会見で、自民党の小林鷹之政調会長が会期延長によってパプアニューギニアなどへの訪問を中止したことについて、
「副首都法案よりも議員外交を優先して、国会を閉じるべきだった。無理な国会延長をしたことが問題だ」
与党が強硬に国会延長をしたことが招いた結果だと、語気強めに切り捨てた。
折しもパプアニューギニアは、台湾代表処の閉鎖を発表したばかり。中国が南西太平洋の要衝で覇権を強める中、小林氏の訪問はまさに地政学上の「重要な外交日程」であったはずだ。
「われわれは行くべきだと思うし、そのために国会は閉じるべきだった」
玉木氏は重ねて、与党側の対応に問題があるとの認識を示したのだった。
「極めて不適切だ」と苦虫を噛み潰したような顔で火消しに
しかし、ここで見事なオチがつく。玉木氏が「重要な外交」と位置づけていたその渡航に対し、あろうことか身内である国民民主の向山好一衆院議員がXでおちょくっていたのだ。
〈行き先はパプアニューギニア。まさかバカンス?〉
代表が重要性を力説する外交を、所属議員が「南国へのバカンス」扱いして冷笑するという、あまりにもお粗末な身内コント。
投稿は慌てて削除されたものの、ネット社会で「消せば増える」は常識だ。結局、玉木代表は会見で向山氏の投稿について「極めて不適切だ」と、苦虫を噛み潰したような顔で火消しに走るハメになった。
ここぞとばかりに与党の失点を追及し、国会最終盤での得点稼ぎを目論んだはずが、見事な放物線を描いてブーメランとなって返ってきた格好だ。
かつての民主党がさんざんやらかしてきたあの「お家芸」を、国民民主党がこのまま引き継がなければいいが。与党の非を責める前に、まずは身内のSNSリテラシーと「党内での意思疎通」を優先してはいかがだろうか。
(岡田哲司/政治ジャーナリスト)

