最新エンタメ情報が満載! Merkystyle マーキースタイル
39億年以上前とみられる小惑星衝突の痕跡を発見 火星探査車パーサヴィアランスが調査

39億年以上前とみられる小惑星衝突の痕跡を発見 火星探査車パーサヴィアランスが調査

NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査車パーサヴィアランスの調査により、火星のジェゼロ・クレーターの縁にある厚さ75mの太古の地層が、複数回にわたる小惑星衝突によって形成されたものであることがわかりました。「ブルームポイント部層」と名付けられたその地層は39億年以上前のものと推定されており、これまで火星探査車が調査した中で最も古い地層の一つです。

複数回の衝突が記録されていた

パーサヴィアランスがとらえた、ブルーム・ポイント部層を含む火星の風景。パーサヴィアランスの車輪の跡も映っています。2025年5月25日に撮影。
パーサヴィアランスがとらえた、ブルーム・ポイント部層を含む火星の風景。パーサヴィアランスの車輪の跡も映っています。2025年5月25日に撮影。

厚さ約75mの地層には、性質の異なる六つのタイプの岩石が含まれていました。主な岩石は、角張った岩石の破片が固まってできた「角礫岩」です。角礫岩の層は、非常に細かく粉砕された岩石の塵の層と、交互に重なり合う形で地層を形成していました。

角礫岩に含まれる岩石の破片には、ガスが抜けた跡である小さな穴(気泡の跡)が多数みられました。これは岩石がかつて高温の溶融状態にあったことを示しています。

また地層には、「スフェルール」と呼ばれる暗色で光沢のある小さなガラス状の粒が含まれていました。火山活動でもそのようなガラスの粒は作られることがありますが、この地層では非常に高密度でスフェルールが見つかったことから、火山噴火ではなく小惑星衝突によって形成されたとみられています。

そのような特徴をもつ岩石層が、約75mの地層の中に繰り返し現れることから、初期の火星で小惑星の衝突が長期間にわたり何度も発生したと考えられています。

地球ではプレートテクトニクスによって、形成初期の地質記録の多くは消えてしまっています。火星にはプレートテクトニクスがないため、古代の記録がそのまま残っています。地球ではみられない時代の記録を、火星では垣間みることができるのです。

2段階の巨大衝突が地層の急傾斜をもたらした

ブルームポイントの地層の中には、80度を超える角度、つまりほぼ垂直に傾いているものがあります。その角度は、ジェゼロ・クレーターを形成した衝突イベントによって生じたものとしては大きすぎます。

そのような急角度は、2度にわたる衝突により形成されたとみられています。まず巨大な小惑星の衝突により、火星最大の衝突盆地の一つであるイシディス盆地(直径1900km)が形成され、平坦だった地層が傾斜しました。さらにもう一つの小惑星が衝突し、直径45kmのジェゼロ・クレーターが形成された際に現在のような地形が形成されました。

黄色い点線ではさまれた部分がブルーム・ポイント部層。黒い線はパーサヴィアランスの車輪の跡です。ベル・アイランド(Bell Island)とメイン・リバー(Main River)はサンプル採取地点。
黄色い点線ではさまれた部分がブルーム・ポイント部層。黒い線はパーサヴィアランスの車輪の跡です。ベル・アイランド(Bell Island)とメイン・リバー(Main River)はサンプル採取地点。

パーサヴィアランスは、衝突イベントがいつ発生したのかを特定するため、「ベル・アイランド」と「メイン・リバー」と名付けられた2つの岩石サンプル(試料)を採取しました。これらのサンプルが将来のミッションで地球に持ち帰られれば、初期の火星、ひいては誕生したばかりの地球がどのような環境にあり、どの程度の頻度で隕石が衝突していたのかを知るための貴重な手がかりになると期待されています。

(参考記事)
「パーサヴィアランス」関連記事一覧
「火星探査車パーサヴィアランスがフルマラソンの距離(42.195km)を走破!」

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/ASU/MSSS

(参照)NASA

配信元: アストロピクス

あなたにおすすめ