若者たちの間でひそかにはやる絶対にやってはいけない遊び。それは、学校の誰もいない階段の13段目でカセットテープに日付と名前を吹き込むと、名前を吹き込まれた人は死ぬというものだった…。「呪怨」シリーズの清水崇監督が、アイドルグループ「FRUITS ZIPPER」の鎮西寿々歌を主役に迎えた学園ホラー『だぁれかさんとアソぼ?』が7月24日から全国公開される。本作で鎮西演じる小春の妹・菜々美を演じた星乃あんなに話を聞いた。
-最初に脚本を読んだ印象から伺います。
自分にとっての初めてのホラー作品だったということもあるのですが、「これが日本のホラーだ」とすごく感動しました。それと同時に、登場人物の関係性が結構キーになるような作品だと思ったので、役作りを徹底的にしてから撮影に挑まなければと思いました。
-学校の階段の13段目でカセットテープに日付と名前を吹き込むと名前を吹き込まれた人が死んでしまうという設定についてはどう思いましたか。
私の学校でも「何時ぐらいにここをのぞくと、何かいるらしい」みたいな都市伝説や学校の怪談みたいなものがあるので、「これ何か分かる」と思うところはありました。
-役作りはどのようにしたのですか。
今回の作品は、演じた菜々美と私との共通点があまりなかったので、自分と照らし合わせるのがすごく難しかったのですが、お姉ちゃんとの関係や、今このせりふを言っている時、本心ではどう思っているのだろうということを常に考えるようにしていたので、脚本を読んでいるうちに、ここで気持ちが変わったんだと分かってきました。また、思春期の女の子の悩みなどを考えながら役作りをしました。自分の中にあまり共通点がなかったので、工夫したり、考えたことが多かったです。
-実際に役を演じてみてどんな感じでしたか。難しかったですか。
難しかったです。脚本を読んでいる時は、共演者の方たちと実際に演技をしていない状態で、1人で練習していたので、いざ対面で演技をすると、やはり違う感情が湧いてきました。現場の雰囲気などで、もしかしたら私が思っていたこととは違うのかもしれないと気付くことも多かったですし、共演者の皆さんとたくさん話し合いながら、役作りを進めていったので、スクリーン越しにその心情が伝わるような演技ができたのではないかと思います。
-自分とはあまり共通点はなかったとのことですが、菜々美というキャラクターをどのように理解しましたか。
共通点もないですし、暗い過去があるというのも私とは違います。私から見れば、こんなに妹思いのお姉ちゃんやすてきな友達がいて、いい生活をしているはずなのに、本人の中では思うことがたくさんある。そういうところはせりふでは表されていないので、ちゃんと理解してあげることが必要だと思いました。
-ホラー映画に対する思いは?
ホラー映画は音も怖くて、画面をちゃんと見られないので今まで劇場で見たことがなかったのですが、今回ホラー映画に出演させていただいたので、初めて劇場で見ようと思います。初劇場ホラーに挑みます。
-では、苦手なホラー映画に出演するのは、どんな気持ちでしたか。
ホラー映画の現場では怪奇現象がたくさん起こるみたいなことを聞いたり、記事で読んだりしていたので、「呪われたらどうしよう」みたいな心配をずっとしていました。お清めスプレーを買って、現場にお清め系セットを持っていきました。
-姉の小春役の鎮西寿々歌さんはどんな印象でしたか。
SNSやテレビでずっと見ていたので、最初は話しかけていいのかなと思っていましたが、撮影が始まる前の本読みの時から、鎮西さんから「今何歳?」「学校では何をしているの」とフレンドリーに話しかけてくださいました。撮影に入ってからは、脚本のことや、「ここはこうした方がいいよね」と演技の打ち合わせをしたりして、コミュニケーションを取りながら、距離感なく演じられるように、いろいろと考えてくださいました。とても優しい方でご一緒できてうれしかったです。
-一緒に演技をする中で、鎮西さんの影響は大きかったですか。
すごく大きかったです。お姉ちゃんを相手に感情をぶつけ合うシーンが多かったのですが、そのシーンのたびに、予定とは違う感情が湧いてきました。「私は今こうしたいと思うけどどう思う?」「演技やりやすい?」とか、いろいろと気にしていただいて、現場で感じたままの感情を、そのまま本番でも演じられるように意識してくださったことが印象的でした。鎮西さんも、初めてのホラー映画だったので、お互いに助け合いながらというところもありました。
-“ホラーの巨匠”清水崇監督の演出はいかがでしたか。
毎回、ホラーシーンはすごくドキドキしましたし、あまりCGを使わない演出だったので、目の前でいろいろなことが起きて、リアルなリアクションをすることができました。清水監督が、没頭できるような現場作りをしてくださったので、すごくありがたいと思いました。
-監督からのアドバイスは結構あったのですか。
ありました。作品に入る前は、「リアルな反応を収めたい。ショッキングなリアクションにもたくさん種類があるから、毎回同じ怖がり方やリアクションにならないように」と教えていただきました。ホラー映画は初めてだったので、どういうリアクションをしたらいいのだろうと悩んでいた部分もあったので、そういうアドバイスを受けて、考え方が変わりました。ホラー映画では、「キャー」と叫ぶリアクションがすごく多いイメージがあったので、そうするべきなのかと悩んでいたところに、監督からアドバイスを頂いたので、じゃあもっとリアルに、表情だけでなく呼吸や身のこわばらせ方にも意識を向けた方がいいのかなとか、撮影に入る前にちゃんと考える期間があったので、いい状態で撮影に臨むことができました。
-一番印象に残ったり、怖いと思ったのはどのシーンですか。
最初のホラーシーンがかなりショッキングでした。登場人物が絶対にやってはいけない遊びをして、怖いことに巻き込まれるというシーンなので、そこが一番怖かったです。
-これから見る観客や読者の方に向けて、見どころなど一言お願いします。
清水監督のホラー作品ということで、この映画で「ザ・Jホラー」の魅力を思う存分に感じてほしいと思いますし、ホラーだけではなく、人間ドラマがしっかりと描かれているので、何回も見てほしいです。私自身としては、表情やお姉ちゃんと話すシーンの声のトーンや、本心とせりふが違ったりするような凝ったシーンがたくさんあるので、菜々美の感情や表情にも注目していただきたいです。
-星乃さんにとって「ザ・Jホラー」とはどんなイメージなのですか。
じわじわくる感じが「ザ・Jホラー」だと思います。海外のホラー映画は割と直接的ですが、日本のホラーは「来るぞ来るぞ」の時間がすごく長くて不安になる感じがします。
(取材・文・写真/田中雄二)

