かつてシカゴ・ブルズで2度の3連覇を果たしたマイケル・ジョーダンは、NBAの歴史において“史上最高の選手(GOAT)”の筆頭として語られるレジェンドであり、その武勇伝は枚挙にいとまがない。実際に対戦経験がある殿堂入り選手のレイ・アレン(元ミルウォーキー・バックスほか)も、“アンストッパブル”だったと回想している。
1984年のドラフト全体3位指名でブルズに入団したジョーダンは、類い稀な身体能力を活かしたプレーで観る者を魅了。91~93年、96~98年にブルズを優勝に導き、そのすべてでファイナルMVPを受賞した。
史上最多となる得点王10回、歴代トップのキャリア平均30.1点、88年には最優秀守備選手賞にも輝き、NBA50周年記念オールタイムチームと75周年記念チーム選出、バスケットボール殿堂入りなど、2度の現役引退を挟んだ中でその実績と影響力は、NBA史においても別次元と言えるものだった。
一方のアレンは、アレン・アイバーソンやコビー・ブライアントと同じ1996年ドラフト組で、ブルズ後期時代(96~98年)と現役復帰後のワシントン・ウィザーズ時代(2001~03年)のジョーダンを知る一回り下の世代。ポッドキャスト『Brice Butler Studios』で、「マイクはまさにユニコーンだった」と振り返った。
「誰かと並べて比較できるようなレベルじゃなかった。マイクを止めることなんて不可能だから、とにかく必死に食らい付いていくしかなかったんだ。彼がディフェンスのギアを上げると決めたら、ボールを運んでいる間、ずっと執拗にプレッシャーをかけてくる。ものすごく優雅に動く一方で、計り知れないパワーも兼ね備えていた。そこをみんなに理解してもらいたい」
ジョーダンと言えば、“エア”と称された跳躍力を活かした華麗なプレーが最大の特徴だが、それだけが彼の魅力ではなかったとアレンは強調する。
「マイクは相手の上を飛び越えてダンクすることもあれば、相手の下を潜り抜けて突破することもできた。その動きは常に軽やかで、全く力みを感じさせなかった。ヒュッと動いたかと思えば、いつの間にか宙に浮いているんだ。一緒に飛んだ他の選手たちが先に着地しても、マイクはまだ空中に残っているという感じだった」
また、人並外れた負けず嫌いで知られるジョーダンが得意としたトラッシュトークについても言及。
「マイクからは競争心を学んだ。彼は私に対しては余計な手出しはしなかったし、トラッシュトークもしてこなかった。でも、私は敢えて彼を放っておいたよ。彼にトラッシュトークなんて仕掛けたら、さらにギアを上げてくるのがわかっていたからね。だから刺激しないのが一番なんだ」
どんな選手にとっても憧れであり、燃えさせる存在――。それがジョーダンが“神様”と呼ばれる所以かもしれない。
構成●ダンクシュート編集部
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