「枝豆」がおいしい季節になりました。枝豆といえばビールとの組み合わせが抜群です。味の相性はもちろん、枝豆に含まれるアミノ酸の「メチオニン」や「ビタミンB1」がアルコールの分解を促し、肝臓の負担を軽くする働きがあります。
健康面からみても、理にかなっています。
僕もビールを飲む時は枝豆をアテにすることが多い。もちろん自分で茹でます。使用するのはスーパーで買う枝付き枝豆です。
枝豆は鮮度が落ちるのが早いため、枝から外したものに比べ、枝付きのほうが長もちするからです。もちろん時間がない場合は冷凍枝豆でも大丈夫です。
茹で方のポイントです。まず、枝豆のサヤの付け根をカットして軽く水洗いします。次に大きめの鍋(寸胴)にたっぷりの湯を沸かす。そこへ枝豆を入れます。塩はかなり多めに入れてください。
枝豆は茹ですぎないように気をつけてください。あまり茹ですぎると、中身が割れたり、歯ごたえがなくなります。ちょっとまだ固いかなぐらいのほうがおいしいと思います。時間の目安は4~5分ぐらいですが、枝豆の緑が鮮やかになった頃を目安にしてください。
ここで枝豆を使ったレシピをいくつか紹介しましょう。まず「枝豆ごはん」。炊き上がった熱々のご飯に、先ほどの塩茹でした枝豆のサヤを取って混ぜ込むだけ。一緒に炊き込むと豆が色あせてしまうので、ご飯が炊き上がってから混ぜるのが色鮮やかになるポイントです。炊く時に、少し塩を足したり、昆布を一切れ入れておくと、枝豆の甘みがさらに引き立ちます。
次は「春雨の中華風サラダ」。春雨、細切りのハム、キュウリ、枝豆を、醬油・酢・ゴマ油・砂糖を合わせた中華ドレッシングで和えれば完成です。枝豆がなくても成立する料理ですが、枝豆の緑が鮮やかで、酸味の効いたドレッシングが暑い夏に食欲をそそります。
弘兼家では夏には、山形県鶴岡市でのみ栽培されるブランド枝豆「だだちゃ豆」も食べます。息子の妻が鶴岡出身で、このだだちゃ豆を送ってきてくれます。普通の枝豆に比べるとやや小ぶりで、色もほんのり茶色っぽいですが、食べてみると旨味がギュッと詰まっていて、ひと口で「味が濃い」とわかります。
ある時、「なんでだだちゃ?」と調べてみました。庄内地方の方言で「だだちゃ」は「お父さん」を指すそうです。江戸時代、枝豆好きの殿様が、日々持ち寄られる枝豆を食べながら「今日はどこのだだちゃが作った豆か」と尋ねたことが、そのまま名前になったと言われています。
ちなみに枝豆はサヤ(外側の皮)まで食べられるのをご存じですか。学生時代、豆を食べきってしまった時によく食べていました(笑)。内皮とサヤを取り巻く筋のようなものは硬くて食べられませんが、それを外せばちゃんと塩味が効いていて、なかなかの美味!
まあ、本来は食べるところではないので、皆さんは種子の部分を食べてください。
弘兼憲史(ひろかね・けんし)1947年、山口県生まれ。早稲田大学法学部卒。松下電器産業(現パナソニック)に勤務後、74年漫画家デビュー。以来『課長 島耕作』『黄昏流星群』などヒット作を次々生み出している。07年には紫綬褒章を受章。

