
「一番大事だったのは、妻の大好きな色が紫」日本挑戦を決断した広島の新戦力アレー。卓越した実績と豊かな人間性を有すストライカーは注目を集めるはず
欧州の第一線で確かな実績を残してきたストライカー、セバスティアン・アレーが広島に移籍。加入会見が7月24日にエディオンピースウイング広島で行なわれた。
フランスのオセールのアカデミーで育ち、17歳でプロ契約を締結したアレーは、着実にステップアップを遂げて、活躍の場をより大きなクラブへと移していった。
ユトレヒト、フランクフルト、ウェストハム、アヤックス、ドルトムント。所属してきたクラブ、そして戦ってきたリーグは、まさに欧州の表舞台。そこで残してきた結果も輝かしい。
特にアヤックスでプレーした2020-21シーズンの途中から21-22シーズンの1年半は特筆だ。
21年1月にアヤックスのユニホームを着たアレーは、19試合で11得点を挙げてエールディビジの優勝に大きく貢献すると、21-22シーズンは31試合に出場して21得点を記録。連覇を果たしたリーグで得点王に輝き、このシーズンに初出場したチャンピオンズリーグでは8試合に出場して11得点をマークした。
ドルトムントに移籍後は、精巣に悪性腫瘍が見つかって闘病することになったが、復帰後はコートジボワール代表として2023年のアフリカネーションズカップの優勝に貢献。北中米ワールドカップのメンバーには選ばれなかったが、ハイクラスな実績を残してきたストライカーは、Jリーグでも注目を集める存在になるに違いない。
ビッグネームの獲得に成功した栗原圭介強化部長は、獲得に動いた3つの理由を語っている。
1つは、得点力の向上を図るため。「決定力があって、ゴール前で個の力で得点できる選手がどうしても欲しかった」。
2つ目は、世界トップレベルでの経験値を還元してもらうため。「プロフェッショナルな姿勢や勝利のメンタリティ、日々のトレーニングへの取り組み方などを伝えてもらいたい」。
そして3つ目は、人間性だ。「今回、交渉する際にトルガイ(・アルスラン)も含めて一緒に話をしてきたなかで、彼のインテリジェンスを感じました。滲み出る人の良さだったり、賢さだったりが伝わってきて、もう間違いがないと確信しました」。
これだけの要件を満たし、大きな期待を持って広島に加入したアレーは、時折ユーモアを交えながらメディアの質問に応じた。欧州から日本へと向かう大きな挑戦の決断に至った理由をこう語っている。
「自分の観点から、この移籍を振り返っていくと、まずはサンフレッチェから示してもらったプロジェクトがとても興味深いもので、自分のような選手を本当に求めてくれていることが真摯に伝わってきた。それから自分の人間性を評価してくれているところ。栗原部長、そしてトルガイと話をしていくなかで、本当に2人ともオープンで、ストレートにリスペクトを持って自分と向き合ってくれた。自分のキャリアの中でこんなに早く決断した移籍はなかったんじゃないかなっていうぐらい早く決断できました。
もちろん、自分にとって日本に来る決断は特別でした。文化的な違いが多くあることも理解したなかで、家族とも話し合って日本に来ることを決めました。自分にとって大きな挑戦ですけど、楽しみの方が大きいです。最後に、一番大事だったのは、自分の妻の大好きな色が紫色だったというところです(笑)」
190センチのサイズと高い身体能力を持ち、卓越した実績と豊かな人間性を有すストライカーが、紫のユニホームを着てどんなパフォーマンスを見せるのか。期待に胸が高鳴る。
取材・文●寺田弘幸
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