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新日本プロレス「電撃売却」決定の舞台裏(2)コロナ禍で集客が落ち込み

新日本プロレス「電撃売却」決定の舞台裏(2)コロナ禍で集客が落ち込み

 先のリング上で、辻はこうも叫んでいる。

「俺はこの団体が好きだ。新日本が好きなんだ。ライオンマークを堂々と掲げていたいんだよ。俺は守る!このベルトも、このリングも、そしてこの新日本プロレスも。だから、だから、同じ方向を向いてくれ。この団体をもっと強く、もっとデカくするために一緒に歩いてこうぜ」

 同大会の前日に発行された週刊プロレス誌上では、新日本と契約更新を2度保留したことを明かした。その理由について「金銭面もそうですし、棚橋(弘至)社長(49)でもない菅林(直樹)会長(61)でもない上の人たちには『何を扱っているのか?』を意識してほしいんです」と語っているのだ。「上の人たち」とは、新日本プロレスの取締役のことのようで、実は木谷氏以外のブシロード取締役、執行役員、従業員らが就任しているのだ。

 誌面では、看板選手の退団の連鎖や毎年変わり映えのしない興行スケジュールの改善、そして生身のレスラーの試合にもっと目を向けてほしいと訴えたのだ。

「親会社が現場に意見するのは仕方ないですが、ビジネス感覚ではなく、プロレスという特殊なジャンルそのもの、ファンの気質までも理解してほしいと、辻はいちばん伝えたかったのでしょう」(専門誌記者)

 大阪大会の翌日、2月12日はブシロードの「2026年6月期 第2四半期決算説明」があった。新日本プロレスは、1月4日に引退した棚橋のファイナルロードの盛り上がりで動員が増加し、前年同期比で増収と報告している。質疑で「今後注目の点は何ですか?」と聞かれ、木谷社長は「1つ目はプロレスです」と答え、「新日と(新日の子会社である女子プロレス団体の)スターダムは、今期後半、そして来期に向かってかなり飛躍してくれるのではないかと考えております」と機関投資家、証券アナリストらに説明した。

 額面通りに受け止めれば、株式譲渡など行われなかったと思われるが‥‥。

「実は新日本の売却は、すでに20年頃から出ていた話です。ところがコロナでガクンと集客が減り、価値が下がってしまった。好転させるために出てきたのが、『棚橋の引退ロード』という発想でした。棚橋の社長就任も引退も、オーナーの意向と言われます。結果、近年は苦戦していた東京ドームに超満員札止め4万6913人を動員し、売り時を迎えたのです」(ブシロード関係者)

 12年当時、ブシロードは低迷期にあった新日本の親会社であったユークスから、全株式を5億円で取得した。メディア露出を増やし、新たな動画配信サービスを整備したうえで、レスラーにはSNSでの発信を促した。その結果が劇的な団体の飛躍であり、当時の7倍を超える約36億円での売却劇となったのである。

配信元: アサ芸プラス

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