
「このままでは口だけになってしまう」プロ入りへ“違い”を示せるか。桐光学園DF萩原慶、課題と向き合ったインターハイ初戦【総体】
[総体1回戦]桐光学園 1-0 鳴門/7月25日/JヴィレッジP5(ローン)
憧れの選手として挙げるのは元スペイン代表のダニ・カルバハル。長年、ヨーロッパで活躍し続けた名手同様に右サイドバックとして存在感を発揮するのが桐光学園のDF萩原慶(3年)だ。
高校入学後にU-16日本代表に選出され、初めての日の丸を経験。昨年はU-17高校選抜候補、今年はU-17高校選抜に選ばれ、順調にサッカー選手としての階段を上がってきた。今年3月にはJクラブの練習参加も経験し、プロ入りを希望する注目株だが、インターハイの初戦となった鳴門戦(1-0)は思い通りのパフォーマンスが発揮できたとは言い難い。
相手はこの試合で決勝点を奪った左サイドバックのDF茂木脩平(3年)を含めた両サイドバックが鍵になると踏んでいた。ボールを奪ったら高い位置を取る2人の背後を目掛けて長いボールを入れてくるだけでなく、萩原の攻撃参加を警戒し、マンマークで対応してきたため、持ち味である上下動の多さを発揮できない。
「チームとして走ることを一番意識した」と振り返る後半は右サイドハーフに入るMF徳住陽向(3年)と声を掛け合い、オーバーラップの回数は増やした。後半15分には攻め上がった勢いのまま相手GKにプレッシャーをかけてボールを奪うなど前半と比べて、らしさが見られる場面は増えたが、「ボックス内に侵入したり、得点に繋げられるチャンスは作れなかった」と自らのプレーに満足していなかった。
「最初から萩原慶という選手として知らなかったら、今日は絶対に良いプレーではないと思う」と試合後、鈴木勝大監督が厳しい言葉を送ったのは期待の表れでもある。
日本代表のFW小川航基(NEC/オランダ)、高校卒業後すぐにJリーグで活躍したMF齋藤俊輔(ウェステルロー/ベルギー)など桐光学園のOBたちは、高校時代から他との違いを見せ付け、プロの世界へと羽ばたいていった。萩原はそうした良きお手本に続くため、今年はこれまで以上に“違いを見せるプレー”を意識しているという。
攻守両面で存在感を発揮できるだけの土台はできつつある。小中学生の頃から右ウイングバックとしてプレーし、圧倒的な走力を活かした攻撃参加とアップダウンが売りの攻撃的な選手だった。高校入学後もそうした特徴を評価され、早期からAチームでプレーする一方、「入りたての頃は1対1で全部やられたり、課題だらけだった」と明かす。
ただ、鈴木監督の指導や自主練でチームメイトと1対1を繰り返すうちに守備力が徐々に上がり、チームへの貢献度は高まっている。Jでの練習参加でもフィジカルや技術面での差を感じながらも、1対1や長所である上下動は手応えを掴んでおり、他との違いを見せる準備は整っている。
試合後、悔しさを見せつつ萩原はこう口にする。
「このままではプロに行きたいと言っているのは口だけになってしまうんで、結果やチームに貢献する姿勢で示していけたら。攻守において右サイドを制圧して違いを見せつけたい」
彼が攻守両面で圧倒的なプレーを披露できれば自ずとチームは活性化する。他との違いを見せつけ、チームを勝利に導くことで、プロ入りを引き寄せるつもりだ。
取材・文●森田将義
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