
「アトレティコは激しい抵抗」185億円規模のオファーは一蹴されるも…バルセロナはアルゼンチン代表FWの引き抜きに自信。大型移籍を巡る熾烈な“駆け引き”を番記者がレポート【現地発】
ロベルト・レバンドフスキが去った前線の穴を埋めるストライカーの確保は、バルセロナにとって今夏の最優先事項だ。アルゼンチン代表FWのフリアン・アルバレスがワールドカップ期間中に「自身の夢」を叶えるための移籍希望を公言したことは確かに援護射撃とはなった。
しかし、アトレティコは依然として激しい抵抗を見せている。2030年までの長期契約と5億ユーロという天文学的な契約解除金を盾に、一歩も引かない姿勢だ。バルサが最初に提示した1億ユーロ(185億円)規模のオファーを一蹴し、CEOのミゲル・アンヘル・ヒル・マリンは「1億5000万ユーロでも2億ユーロでも受け入れない」と豪語している。6月にレアル・マドリーが提示した1億5000万ユーロのオファーを拒否した経緯もその強気の姿勢に力を与えている。
それでもバルサに諦めの気配はない。ジョアン・ラポルタ会長はオファーの有効期限を7月31日に設定しつつも、アルバレスのプレシーズンキャンプ合流予定日である8月10日を目処に条件を見直し、事態を打開する手はずを整えている。
クラブ内からは上限の金額を明かさない中でも、獲得への自信を口にする声が上がっている。選手側のさらなる働きかけにも期待し、アトレティコの譲歩を引き出せると踏んでいる。
すでにバルサは、ニューカッスルから7000万ユーロでアンソニー・ゴードンを獲得し、ボルシア・ドルトムントから2200万ユーロでカリム・アデイェミの引き抜きにも成功している。もっともこの2つのオペレーションは、レンタル期間が満了したマーカス・ラッシュフォード、退団が濃厚となっているルーニー・バルドグジを補填する動きであり、アルバレス獲得の計画には一切影響を与えていない。
ハンジ・フリック監督とデコSDが最も強く要望しているのは彼であり、ラポルタ会長が直接交渉に乗り出す可能性も取り沙汰されている。
大本命ストライカーを巡る不透明な情勢を受けて、ラミネ・ヤマルの偽9番起用案がたびたび持ち上がるが、首脳陣にはまだポジションを中央に移す考えはない。アルバレスの獲得が、その若きエースのウイングへの固定を後押しする要素となってくる。もちろん昨夏のニコ・ウィリアムス獲得失敗の教訓からクラブは慎重な姿勢も崩してはいない。一方、アヤックスへのレンタル移籍話が浮上しているテア・シュテーゲンを筆頭に余剰戦力の整理に難航し、軍資金の確保が進んでいないことも彼らの悩みの種のひとつだ。
仮にアルバレスの獲得交渉が結実しなかった場合、クラブはチェルシーのジョアン・ペドロ、ボーンマスのエリ・ジュニア・クルピ、ユベントスのドゥシャン・ブラホビッチ、さらにはレアル・ソシエダのミケル・オジャルサバルといったプランBの検討に入る。
また、守備陣ではアスレティック・ビルバオのアイメリク・ラポルテ獲得の可能性も浮上している。いずれにせよ、得点力に加え、前線を縦横無尽に動き回る豊富な運動量、高い連係力を兼ね備えたアルバレスの獲得が最優先事項であることは揺るぎのない事実だ。
文●ファン・I・イリゴジェン&ラモン・ベサ(エル・パイス紙バルセロナ番)
翻訳●下村正幸
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