FUJIO ONISHI
デビュー10年以内の若手芸人が頂点を競う「第47回ABCお笑いグランプリ2026 presented by SCOグループ]」が7月26日(日)、ABCテレビで生放送、ABEMAで生配信され、芸歴8年目で決勝初出場のゼロカランが王座に輝いた。
今年で回目を迎えた「ABCお笑いグランプリ」は、「ABC漫才・落語新人コンクール」として1980年にスタート。歴代の優勝者には、ダウンタウン、ナインティナイン、中川家、ますだおかだ、フットボールアワー、千鳥、かまいたち、霜降り明星ら、現在のお笑い界を牽引するそうそうたる顔ぶれがそろう、若手の登竜門的コンテストだ。2012年の第33回大会からは現在の「ABCお笑いグランプリ」に名称を変更し、出場資格も「デビュー10年以内」「日本全国のプロのお笑い芸人」と広く門戸を開放。漫才、コント、ピン芸など、おもしろければ何でもありの“お笑い異種格闘技戦”を展開している。
今年の大会には、全国から583組がエントリー。熾烈な戦いを勝ち上がった12組の精鋭、エグい速さ(吉本興業)、金魚番長(吉本興業)、ぎょねこ(ワタナベエンターテインメント)、三遊間(吉本興業)、ゼロカラン(吉本興業)、江戸川ジャンクジャンク(ワタナベエンターテインメント)、センチネル(太田プロダクション)、ダウ90000(オフィスカニバブル)、ソマオ・ミートボール(吉本興業)、生姜猫(吉本興業)、ヨネダ2000(吉本興業)、豆鉄砲(ワタナベエンターテインメント)(以上、決勝ネタ順)が大阪・ABCテレビのスタジオで行われた決勝に集結。「M-1グランプリ2025」ファイナリストのヨネダ2000や、劇作家としても高い評価を受ける蓮見翔率いる話題の8人組ユニット・ダウ90000をはじめ、お笑い賞レース常連の実力派から地上波初登場のダークホースまで、今が旬の若手が顔をそろえた。
決勝の司会は山里亮太(南海キャンディーズ)と、俳優の本田望結が担当。審査員には、昨年からの続投となる陣内智則、ユースケ(ダイアン)、岩崎う大(かもめんたる)、野田クリスタル(マヂカルラブリー)、山内健司(かまいたち)、秋山寛貴(ハナコ)に加え、「ダブルインパクト2025~漫才&コント 二刀流No.1決定戦~」初代王者のニッポンの社長・辻クラシックが新たに登場。幅広いジャンルのお笑い界の先輩7人が若手のネタをジャッジした。
ファーストステージは、今年から採用された新ルール「ノックアウト・サバイバル」方式で行われた。12組のファイナリストがA・B・Cの3ブロックに分かれ、4分ネタで戦う点は従来通りだが、これまでのように最高得点の組が勝ち上がるのではなく、より過酷な勝ち残り戦に。各ブロックの1組目、2組目のネタ終わりでどちらがおもしろかったかを7名の審査員が判定して投票。得票が多かった方が暫定勝者となる。以降もこの判定をくり返し、最後まで勝ち残った1組がファイナルステージに進出する。
Aブロックでは、エグい速さ、金魚番長、ぎょねこ、三遊間が激突。格安航空会社のクセの強すぎるサービスを次々と繰り出す漫才で「クオリティーが高くてムダがない」と山内をうならせた金魚番長が勝利した。
Bブロックでは、ゼロカラン、江戸川ジャンクジャンク、センチネル、ダウ90000が勝負。高級ホテルの過剰な接客にひねりのきいたツッコミを連打する漫才を「ツッコミワードがすばらしくてワクワクするネタ」と陣内が絶賛したゼロカランが勝ち上がった。
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Cブロックには、ソマオ・ミートボール、生姜猫、ヨネダ2000、豆鉄砲が登場。おなじみの駅弁をネタに独特の持論を展開する漫才で「とんでもない深いところまで言い出した(笑)」と野田を爆笑させた豆鉄砲が、生姜猫とわずか一票差の大接戦を制した。
各ブロックの勝者が優勝をかけて火花を散らすファイナルステージに進出したのは、金魚番長、ゼロカラン、豆鉄砲の3組。ファーストステージとは異なる4分ネタを披露し、得点を競った。各審査員の持ち点は100点で、満点は700点となる。
トップバッターの金魚番長は、英語の歌にまつわる勘違いをきっかけに展開するテンポのいいネタを披露。ゼロカランは患者が振り回される健康診断というシチュエーションでセンスあふれるツッコミをさく裂させ、豆鉄砲は修学旅行の子どもたちに帯同する“忘れられがちな人”について深く考察するネタで勝負。審査の結果、金魚番長が651点、ゼロカランが668点、豆鉄砲が656点を獲得し、ゼロカランが第47代のチャンピオンに輝いた。発表の瞬間、ツッコミのワキはあふれる思いを抑えきれず号泣。「僕らが優勝とかできるんやなって思ってめっちゃうれしいです」と悲願の初タイトルに喜びを爆発させた。そんな相方の肩を抱き、涙をこらえるボケのたいがは感無量の表情。「こんだけおもろいネタを書いてくれたんで…」とネタ作り担当のワキの手に“感謝のキス”をしようとし、ワキから「アメリカか!」とツッコまれて笑いを誘っていた。2人には、優勝賞金100万円とチャンピオンベルト、副賞が贈られた。
FUJIO ONISHI
優勝したゼロカランのプロフィール、会見コメントは以下の通り。
【プロフィール】
ともに大阪府出身で、高校の同級生だったワキ(30)とたいが(30)が2019年にコンビを結成。2025年の「M-1グランプリ」で初の準決勝進出を果たしたほか、「ダブルインパクト」でも2025年、2026年と2年連続で準決勝に進出。「ABCお笑いグランプリ」決勝には今回が初出場。賞レースでは初優勝となる。
【優勝会見コメント】
――初の決勝進出で、初タイトルを勝ち取った感想をお聞かせください。
ワキ「決勝も初めてで、(賞レースで)優勝したことなかったんで、まさか自分たちが優勝できる芸人やったんやなっていう(笑)。まずこのことが本当にうれしいですね。まだまだこれからですけど、一旦は認められたのかなと思うとうれしいです」
たいが「僕らはテレビに出ることがずっと夢だったんですけど、『M-1』で優勝することが夢へのクラウチングスタートだとすると、そのスタートラインの列の後ろに並んでいいぞと、やっと言ってもらえたのかなという思いがありますね」
ワキ「まだまだお前ら芸人続けていいぞと。ここからやぞ!と言ってもらえたのかなと」
――優勝の喜びと感謝を、誰にどんな言葉で伝えたいですか?
ワキ「芸歴8年目なんですけど、(同期の)金魚番長みたいに1年目からずっとウケてるエリートではなかったので、その当時からおもしろいと応援してくれた芸人さんとかお客さんに“間違ってなかったよ”って伝えたいし、そう言えるのは本当にうれしいですね」
たいが「僕はもちろん、お父さんとお母さんに。ワキがネタを書いてくれてるんで、“ありがとう”ってしっかり感謝を伝えたいというのもありますし、ここまでの道を作ってくれた吉本興業にはもう本当に感謝です!」
ワキ「たしかにそうやねんけど、事務所にアピールしすぎかもしれん(笑)」
――今回の快挙に向け、漫才を磨くという意味でやってきたことはありますか?
ワキ「去年初めて『ダブルインパクト』の準決勝まで行かせてもらって、その流れのまま『M-1』まで進んだんですけど、そのあたりから新ネタをたくさん作るようにして。毎月、金魚番長と一緒に新ネタ5本のライブをまずやって、ゼロカランだけのネタ8本ライブもやっていたので、毎月計13本作ってました。それを12か月やから、年間で150本ぐらい。若手の劇場では一番やってるっていう自信はあったんで、それが実ってよかったです」
――あこがれの芸人さんは?
たいが「2人とも千鳥さんは大ファンで、高校のときに一緒にNGKの単独ライブを観に行ったりもしていたくらい大好きで。『今ちゃんの「実は…」』の千鳥さんのロケとかめちゃめちゃ観てましたね。だからホンマにお会いしたい!」
ワキ「お会いしたいし、千鳥さんに笑われたいですね。“お前らおもろいな”って言ってもらえたら、ちょっと下品ですけど、脳汁がすごいと思います(笑)」。
――賞金100万円の使いみちは?
たいが「ワキにネタを書いてもらってるのでその感謝も込めて、僕が34万円でワキが66万円とか」
ワキ「なんやねん、その数字!」
たいが「でも、気がついたらもうなくなってしまいそうですよね。34万円って」
ワキ「それって嫌じゃない?できれば、なにかひとつエピソードとして残ることがしたいですよね…でも、一番リアルな使いみちは、親に借金を返す(笑)。もう笑えないくらいの額を親から借りてるんですよ」
たいが「そうですね。ずっとバイトしてなかったんで」。
ワキ「お笑いに本腰入れるぞ!ってときに、親に“すみません、お金貸してください!”ってお願いして。まずはそれを返したいです」
――今後の目標は?
ワキ「やっぱり『M-1』はずっと目標ですね。ここで優勝して、『M-1』に絶対つなげようという意気込みで今日はがんばっていたので。『M-1』で優勝して、劇場にも貢献しつつ、人気者になりたいです。2人ともテレビスターになりたいんです」
たいが「僕もまったく一緒(笑)。『M-1』を獲って、劇場にもしっかり出ながらテレビにも出たい。僕、この世の全部のテレビに出るのが夢なので。囲碁の番組とかも含め、ホンマにすべての番組に出てみたいんですよ。稼げる稼げないとかじゃなく」
ワキ「稼ぎたいやろっ!(笑)」

