
“青赤育ちのアタッカー”が1G・3Aの大活躍、怪我人続出の静岡学園を救う! 大会直前にスタメン落ちも…その裏にあった藤枝加入の後輩の存在【総体】
[総体2回戦]静岡学園 8-0 大分/7月26日/Jヴィレッジスタジアム
静岡学園は苦しい状況だった。
開幕直前に得点源で副キャプテンのMF松永悠輝(3年)が負傷し、チームから離脱。ボランチのポジションで頭角を現したMF杉ノ原芽生(2年)も怪我の影響でインターハイに間に合わなかった。
3-5-2の布陣において中盤の底とトップ下のポジションを務める選手が2人も欠ける緊急事態。さらに初戦となった26日、大分との2回戦でボランチを務めるキャプテンのMF足立羽琉(3年)が前半途中に右足首を負傷。今大会中の復帰どころか今季絶望の可能性すらある大怪我を負った。
中盤のセンターポジションでレギュラーだった選手が全員いなくなる状況下で、チームを救ったのがMF安永龍生(3年)だ。
足立に代わって17分に投入されると、トップ下のポジションで躍動。2−0で迎えた前半のアディショナルタイムに左CKからCB飯尾善(3年)の得点をアシストすると、後半に入ってからも勢いは止まらない。3−0とした後半12分にFW坂本健悟(3年)の得点を右からの折り返しでお膳立てし、同31分には自らのシュートでチームの6点目をゲット。その3分後にも左CKからCB保延昭良(3年)の得点を演出し、8−0で勝利したチームにおいて1ゴール・3アシストの大活躍で勝利に貢献した。
中盤の選手が軒並み不在となるなか、救世主となった安永。U-18高円宮杯プリンスリーグ東海では開幕からスタメン出場を続けるなど、今季のチームで重要な役割を担ってきた。しかし、ミスを恐れたことでプレーが不安定に。
「自分がミスをして失点するケースが練習でもあった。そこからちょっとずつ自信を失って、トラウマというわけではないけど、メンタル面に悪い影響を与えてしまった」(安永)
インターハイ開幕前のプリンスリーグでは直近2試合続けてベンチ外に。今大会のメンバー登録においてはボーダーライン上の選手となり、本人も参加できないことを覚悟していたという。
だが、なんとか28人の登録リストに名を連ね、インターハイ出場が決定。そこから気持ちを切り替え、いつ起用されても良いように準備を進めてきた。そうしたタイミングで前向きな気持ちにさせてくれたのが、一学年下の後輩、MF北原槙(藤枝)の存在だった。
小学校時代はJACPA東京、中学校時代はFC東京U-15むさしでチームメイト。家族ぐるみで付き合いがあるほど仲が良い。ただ、親交が深い一方で、置かれる立場はどんどん変わっていった。北原は高校1年生でFC東京とプロ契約を結び、世代別代表でも圧倒的なパフォーマンスを披露。日本の未来を担うアタッカーとして高い評価を受けている。しかし、自身は静岡学園で苦しみ、思うように結果を出せていない。そうした状況に歯痒い気持ちがあった。
「後輩が今はプロの試合で出ている。悔しい気持ちがある。小学校も中学校も一緒だったのに」
そんな後輩が今夏からレンタル移籍で藤枝に加入することが決定。安永にも連絡があり、刺激を改めて受けたことが今日の活躍につながった。
キャプテンの足立が負傷離脱し、今大会中の復帰は絶望的。だからこそ、11番にかかる期待は大きい。北原から刺激をもらったアタッカーは大分戦の活躍を自信に変え、28日の3回戦・鹿島学園戦でもチームを勝利に導くパフォーマンスを見せるつもりだ。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
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