
坂口健太郎が、7月27日に都内で開催された映画「私はあなたを知らない、」完成披露舞台あいさつに、早瀬憩、堀田真由、倉田瑛茉、滝藤賢一、原田美枝子、中野量太監督と共に登壇。同作での泣きの芝居の裏話を披露する場面があった。
■中野量太監督による10年ぶりに完全オリジナル作品
8月28日(金)公開の同作は、日本アカデミー賞ほか数々の映画賞を席巻した映画「湯を沸かすほどの熱い愛」(2016年)の中野監督が、10年ぶりに完全オリジナル脚本で挑んだヒューマンサスペンス。愛する人を殺めてしまうという重い罪を犯した孤独な青年と、母を奪われた娘が13年の時をへて対峙(たいじ)する運命を映し出す。
天涯孤独の青年・西山夕平(坂口)は、自分の中で決められたルーティンで生活をし、たった一人のその環境を寂しいとも感じずに生きてきた。そんな中、職場にやってきた新しいパート職員・紗月(堀田)と出会い、生きる喜びを得て、毎日が輝き出す。
そしてある日、紗月から5歳の娘・朝子(倉田)を紹介される。紗月と朝子との生活で、夕平はこれまで知らなかった“家族”という幸せの形に触れ、次第に心を開放していく。
■心をつかまれたシーンを告白
坂口は、作品について「台本を最初に読ましていただいて、『面白かった』と言っていいのか分からないのですが、すごく愛情とある意味の生々しさというか、監督の正直な気持ちみたいなものを一気に全部受け取った気がしたんです。ある1つのシーンで、決してハッピーなシーンではないのですが、夕平の気持ちが痛いほど分かるというか…。悪意まではいかないのですが、いろんなものが夕平の中に渦巻いていく。そこを監督が台本にして、誠実に捉えて書いてくださっていたので、そのシーンが大好きで。だから、あのシーンと台本を読んだ瞬間に『ぜひ、ご一緒させていただきたいな』という気持ちになりました」と明かした。
すると、中野監督は「(伝えたいことが分かってもらえて)うれしかったですね。『このシーンが分からないって言われたらどうしよう。ちょっとオファー取り消そうかな』って。まぁ、思ってないですけど(笑)。でも、分かってくれたのはとてもうれしかったですし、『この人とやっていけるな』というふうに思いました」と述懐。
また、坂口は倉田との撮影について「瑛茉ちゃんとのシーンがすごく多くて。それは、お芝居を一緒にする時間ではなかったんですけど、僕の雰囲気を分かってもらい、僕も瑛茉ちゃんのことを知りたくて、監督が(交流する)時間を設けてくださって、何度かお話させていただきました」と振り返った。
そんな中、泣きの芝居について言及する一幕も。「面会室で(13年後の朝子を演じる)憩ちゃんとお芝居をするシーンがあって、すごくありがたいことに、いろんなスケジュールを調整してくださって、最初に瑛茉ちゃん演じる幼い朝子とお芝居をする時間を取っていただいて、それが終わったら憩ちゃん演じる大人の朝子とお芝居をする時間を持てたんですけど、もう声を聞いてるだけで泣いちゃうんです」としみじみ。
続けて、「いろんなことが思い出されてしまって…。そうしたら、監督がカットをかけて『すごくいいシーンのように見えるんだけど、まだ(感情が高ぶるのは)駄目だよ』という瞬間があったりして(苦笑)。でも、(朝子に対する思いを)ちゃんと育む時間をいただけたので、そういうシーンが撮れたんだろうなって思いました」と裏話を披露した。
◆取材・文=原田健

